不登校のカウンセリングは、学校のスクールカウンセラー、自治体の教育相談、病院、民間の4か所で受けられます。公立学校のスクールカウンセラーは、公費で配置されています。東京都教育相談センターの来所相談は無料で、保護者だけでも相談できます。
本人が行きたがらないときは、保護者だけで始められます。国の資料も、保護者へのカウンセリングを通じた支援が重要だとしています。
この記事では、それぞれの場所で何ができるか、回数と費用、秘密の扱い、「意味がない」と感じるときの考え方を、2026年10月4日に確認した国と自治体の資料で整理します。
不登校のカウンセリングは、どこで受けられるか

カウンセリングを受けられる場所は、大きく4つです。
| 場所 | 相談できる人 | 費用 | 保護者だけの相談 |
|---|---|---|---|
| 学校のスクールカウンセラー | 児童・生徒、保護者、教職員 | 公立学校には公費で配置されている。相談料についての国の資料の記載は確認できず、学校に確認 | できる(来校や電話での相談が職務に挙げられている) |
| 自治体の教育相談(東京都教育相談センターなど) | 子どもと保護者 | 東京都の来所相談は無料 | できる(東京都) |
| 病院(小児科・心療内科など) | 患者と家族 | 保険が使える場合がある | 診療報酬の種類による(下の章) |
| 民間のカウンセリング | 窓口による | 自費。窓口ごとに違う | 窓口による |
相談先の全体と、医療や福祉の窓口は、不登校の相談先一覧にまとめています。この記事では、カウンセリングの中身にしぼって説明します。
不登校の小・中学生は、2024年度に35万3,970人でした。このうち、学校内外の機関で専門的な相談や指導を受けていない子は13万5,724人で、38.3%です(文部科学省の調査)。スクールカウンセラーなどの相談を受けた子は、31.3%でした。
スクールカウンセラー|来る日数と、相談できること

スクールカウンセラーは、学校で子どもの心理に関する支援を行う職です。学校教育法施行規則に定められています。国の資料は、資格の例に公認心理師と臨床心理士を挙げています。
相談できるのは、児童・生徒、保護者、教職員です。文部科学省の協力者会議の報告(2017年)は、保護者への支援として、来校した保護者への相談と、電話などによる相談を挙げています。
毎日いるとは限りません。文部科学省の調査(2024年度・公立)では、活動日数は次のとおりでした。
| 年間の活動日数 | 小学校 | 中学校 |
|---|---|---|
| 常駐 | 0.1% | 1.5% |
| 70日以上(常駐を除く) | 5.3% | 11.8% |
| 35〜69日 | 20.9% | 40.1% |
| 20〜34日 | 21.2% | 28.8% |
| 10〜19日 | 36.0% | 13.3% |
| 1〜9日 | 14.4% | 3.6% |
| 配置の実績なし | 2.1% | 0.9% |
中学校は年間35〜69日、小学校は年間10〜19日の学校が、いちばん多くなっています。
東京都の公立学校のスクールカウンセラーの勤務は、1校あたり年間38回、1回7時間45分とされています(東京都の2026年度の募集の案内)。八王子市の資料(2025年度)は、市立の小・中学校などに、スクールカウンセラーが週1〜2回程度配置されている、としています。
予約のしかたは、学校に確認してください。当サイトは、担任や養護教諭、学校の代表電話に、スクールカウンセラーに相談したいと伝えることをおすすめします。
学校以外の公的な窓口|保護者だけでも相談できる

学校に行きづらいときは、自治体の教育相談が使えます。
東京都教育相談センター
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 都内に住んでいるか、都内の学校に在籍している、幼児から高校生相当までの子どもと保護者(私立も含む) |
| 保護者だけの相談 | できる |
| 費用 | 無料 |
| 相談の形 | 1回50分程度、予約制。原則、保護者と子どもにそれぞれ心理職の担当がつく |
| 申込み | 保護者が電話で申し込む。0120-53-8288(申込みの受付は平日9時〜17時。祝日・年末年始を除く) |
| 場所 | 北新宿。立川に出張相談室がある(月・水) |
| 注意 | 医療機関にかかっている子は、医師の承諾が必要 |
電話での教育相談は、同じ番号で24時間受け付けています。
八王子市の心理教育相談
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 小・中学生とその保護者 |
| 相談員 | 臨床心理を専門に学んだ心理士(臨床心理士など) |
| 相談の形 | 電話相談(匿名でもできる)と、来所相談(予約制) |
| 申込み | 保護者が電話で申し込む。042-664-6949 |
| 時間 | 月曜から金曜(祝日を除く)8時30分〜17時 |
費用について、八王子市の公式ページには記載が見つかりませんでした(2026年10月4日に確認)。申込みのときに確認してください。
子ども本人がかけられる「こども電話相談」(042-664-3665)もあります。
文部科学省が案内している全国共通の「24時間子供SOSダイヤル」(0120-078310)は、悩んでいる子どもや保護者が、夜間・休日を含めて相談できる窓口です。原則として、かけた地域の教育委員会の相談機関につながります。
病院でのカウンセリング|保険が使える条件

病院でのカウンセリングには、保険が使える場合があります。「小児特定疾患カウンセリング料」という診療報酬があり、国の通知は、対象に登校拒否の人を含む、としています。
条件は細かく決まっています(厚生労働省の2026年度の点数表と通知)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受けられる場所 | 小児科または心療内科を標榜する医療機関(入院していない人が対象) |
| 対象 | 18歳未満で、気分障害、神経症性障害、ストレス関連障害、心理的発達の障害などがある人。登校拒否の人を含む |
| 誰が行うか | 医師、または医師の指示を受けた公認心理師 |
| 公認心理師の場合 | 20分以上。初回は医師が行い、その後も3か月に1回程度は医師が行う |
| 回数と期間 | 初回から2年以内は月2回まで。2年を超えると月1回まで。4年が限度 |
| 点数 | 公認心理師による場合は200点。医師による場合は初回800点、その後は時期により400〜600点 |
| 家族への相談 | この料金では、本人を伴った場合に限って対象になる |
| 電話 | 対象にならない |
診療報酬は、1点が10円です。200点は2,000円にあたり、この料金の分について窓口で払うのは、その一部です(当サイトの計算)。診察料などは別にかかります。実際に払う額は、年齢や自治体の医療費の助成で変わります。
通院・在宅精神療法など、ほかの診療報酬を使っている場合は、この料金は使えません。病院によっては、保険を使わない自費のカウンセリングを行っています。予約のときに、保険が使えるか、1回いくらかを確認してください。
受診の目安は、不登校の相談先一覧の医療の章で扱っています。朝起きられない場合は、起立性調節障害と不登校もご覧ください。
民間のカウンセリング|資格と費用の確かめ方

民間のカウンセリングは、時間や場所の自由がききます。オンラインで受けられるところもあります。費用は自費です。
資格は、次の2つを確かめる目安にできます。
| 資格 | 内容 |
|---|---|
| 公認心理師 | 法律(公認心理師法)にもとづく国家資格。秘密を守る義務が法律で定められている |
| 臨床心理士 | 公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会が認定する資格。5年ごとの更新の制度がある |
臨床心理士の認定協会は、心理カウンセラーなどの名前で呼ばれる人には、それぞれに明確な資格があるわけではない、と説明しています。
料金の相場を示した公的な資料は、確認できませんでした(2026年10月4日に確認)。料金は窓口ごとに違います。
申し込む前に、次の4つを確かめてください。
- 担当する人の資格(公認心理師か、臨床心理士か)
- 1回の時間と料金、キャンセルの決まり
- 回数や期間の見通しと、契約のしばりの有無
- 病院にかかっている場合、主治医に相談してから始めること
医療費控除について、国税庁は、対象を医師などによる診療や治療の対価としています。民間のカウンセリングが対象になるかは、国税庁のページでは確認できませんでした。税務署に確認してください。
民間の支援サービスと契約する前に確かめることは、スダチ(不登校支援)はやばい?で、契約前の確認事項を例に整理しています。
「カウンセリングは意味ない」と感じるとき

「意味がない」と感じる理由になりうる事実は、いくつかあります。
- 回数が少ない:スクールカウンセラーは毎日いるとは限りません。小学校では、年間10〜19日の学校がいちばん多くなっています
- すぐには変わらない:東京都教育相談センターは、保護者が相談することで、家庭内の空気が変わり、子どもの様子が少しずつ変わり始めることもある、と説明しています。変化は「少しずつ」「こともある」という書き方です
- 担当は選べない:東京都教育相談センターは、相談員の指名はできないとしています。気がかりな点や希望は、申込みのときに伝えるよう案内しています
東京都教育相談センターは、ほかの機関ですでにカウンセリングを受けている場合の同時の利用(ダブル・カウンセリング)を、すすめていません。複数の機関を利用すると、担当者からの助言が異なって相談者が混乱することがある、としています。
当サイトは、「意味がない」と感じたら、やめる前に、担当の人にそのまま伝えるのがよいと考えます。目的や回数を見直せることがあるためです。それでも合わないときは、窓口を変えることも選択肢です。
カウンセリングは、登校を約束するものではありません。カウンセリングを受けた子がどのくらい登校できるようになるかを示した、最近の公的な資料は、確認できませんでした(2026年10月4日に確認)。
本人が行きたがらないとき

本人が行きたがらないときは、保護者だけで相談を始められます。
本人が相談していないことは、珍しくありません。文部科学省の2020年度の調査では、不登校の経験がある中学2年生の42%、小学6年生の36%が、休みたいと感じ始めてから実際に休み始めるまでの間に「誰にも相談しなかった」と答えています。回答した人は調査の対象の約1割で、全体を表す数字ではありません。
保護者だけの相談について、公式の資料は次のように書いています。
- 国の生徒指導提要:不登校で不安や焦りを感じている保護者への、カウンセリングなどを通じた支援も重要。保護者を元気づけ、心理的に安定させることが、子どもへの有効な支援につながることも少なくない
- 東京都教育相談センター:保護者のみで相談することも可能
- スクールカウンセラー:来校した保護者への相談と、電話などによる相談が、職務に挙げられている(文部科学省の協力者会議の報告・2017年)
同じ調査では、相談しやすい方法として「直接会って話す」(中学2年生46%)のほかに、「メールやSNS」(中学2年生42%)を選ぶ子も多くいました。東京都には、子どもがLINEで相談できる窓口もあります。
本人を無理に連れていくことは、当サイトはおすすめしません。親がどこまで動いてよいかは、不登校の中学生はほっといていい?で整理しています。親自身の疲れについては、不登校の子の親のメンタルと仕事で扱っています。
秘密は守られるか

秘密の扱いは、場所によって違います。
| 場所 | 公式の記載 |
|---|---|
| スクールカウンセラー | 守秘義務が課される。ただし、学校が指導や支援を行うために必要な内容は、学校全体で管理することが基本で、学校に報告することが必要(文部科学省の協力者会議の報告・2017年) |
| 八王子市の心理教育相談 | 相談に来ていることも含め、保護者の了承なく第三者に伝えることはない。命に関わるときなど、緊急の対応が必要な場合を除く |
| 公認心理師 | 法律で、秘密を守る義務が定められている |
スクールカウンセラーに話した内容は、支援に必要な範囲で、学校の中で共有されることがあります。国の生徒指導提要は、チームの中で秘密を守ること(集団守秘義務)が重要、としています。
当サイトは、先生に伝えてほしくないことがあるときは、相談の最初にそう伝え、どこまで共有されるかを先に聞いておくことをおすすめします。
不登校の定義や最新データ、親が最初に知っておきたいことは不登校とは?定義・最新の人数データ・親が最初に知ることにまとめています。
よくある質問

- Q不登校のカウンセリングは、無料で受けられますか?
- A
東京都教育相談センターの来所相談は無料です。公立学校のスクールカウンセラーは公費で配置されています。相談料についての国の資料の記載は確認できなかったので、学校に確認してください。病院では保険が使える場合があり、民間は自費です。
- Q親だけでも、カウンセリングを受けられますか?
- A
受けられます。東京都教育相談センターは、保護者のみの相談もできるとしています。スクールカウンセラーも、保護者の相談に対応します。病院の小児特定疾患カウンセリング料では、家族への相談は本人を伴う場合に限られます。
- Qスクールカウンセラーには、週に何回会えますか?
- A
学校によります。2024年度の調査では、中学校は年間35〜69日、小学校は年間10〜19日の学校がいちばん多くなっています。八王子市の資料は、週1〜2回程度の配置としています。
- Qスクールカウンセラーに話したことは、先生に伝わりますか?
- A
支援に必要な内容は、学校に報告することが必要とされています(文部科学省の協力者会議の報告・2017年)。当サイトは、伝えてほしくないことを相談の最初に伝えることをおすすめします。
- Qカウンセリングを受ければ、学校に行けるようになりますか?
- A
約束はできません。カウンセリングを受けた子がどのくらい登校できるようになるかを示した、最近の公的な資料は、確認できませんでした。東京都教育相談センターは、保護者が相談することで、子どもの様子が少しずつ変わり始めることもある、と説明しています。
- Q2か所で同時にカウンセリングを受けてもよいですか?
- A
東京都教育相談センターは、ほかの機関でカウンセリングを受けている場合の同時の利用を、すすめていません。助言が異なると、混乱することがあるためです。病院にかかっている場合は、主治医に相談してから始めてください。
まとめ

- 不登校のカウンセリングは、スクールカウンセラー、自治体の教育相談、病院、民間で受けられます
- スクールカウンセラーは毎日いるとは限りません。中学校は年間35〜69日、小学校は年間10〜19日の学校がいちばん多くなっています
- 東京都教育相談センターの来所相談は無料で、保護者だけでも相談できます
- 病院のカウンセリングは、条件を満たすと保険が使えます。小児特定疾患カウンセリング料では、18歳未満が対象、月2回まで、家族への相談は本人を伴う場合に限る、などの決まりがあります
- 本人が行きたがらないときは、保護者だけで始められます
八王子市の不登校の支援は、高尾山学園とは?でも紹介しています。
※本記事は2026年10月4日時点の、国・東京都・八王子市の公開情報にもとづく一般的な情報提供です。医療の判断や診断に代わるものではありません。心や体の不調が強いときは、医療機関に相談してください。窓口の時間や条件は変わることがあります。利用の前に、各窓口の最新の案内をご確認ください。
主な出典(いずれも2026年10月4日確認):文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」/文部科学省「令和2年度 不登校児童生徒の実態調査 結果」/文部科学省の協力者会議「児童生徒の教育相談の充実について(報告)」(平成29年)/文部科学省「生徒指導提要」(令和4年12月改訂)/文部科学省「スクールカウンセラー等活用事業」の資料/文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」/厚生労働省「診療報酬の算定方法」(令和8年度)と留意事項の通知/公認心理師法(e-Gov法令検索)/公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会「臨床心理士とは」/東京都教育相談センター「来所による教育相談」と「よくある質問」、来所相談のチラシ/東京都教育委員会「東京都公立学校スクールカウンセラー」の募集の案内(令和8年度)/八王子市「総合教育相談」と「総合教育相談ガイド」(令和8年度版)/八王子市「特別支援教育ハンドブック」(令和7年度)/国税庁「No.1122 医療費控除の対象となる医療費」と質疑応答(診療報酬の点数の単価)


