特別支援学級の種類は、国の通知で7つに分けられています。知的障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱、弱視、難聴、言語障害、自閉症・情緒障害です。
在籍する子の97%以上は、自閉症・情緒障害と知的障害の学級に通っています(文部科学省「学校基本調査」2025年5月1日時点。当サイトが計算)。
ただし、7つすべての学級が、どの地域にもあるわけではありません。東京都では、弱視・難聴・言語障害は、ふだんは通常の学級で学び、一部の時間だけ通う「通級指導学級」として置かれています。
この記事では、7つの種類の対象、知的障害の学級と自閉症・情緒障害の学級の違い、東京都と八王子市で実際に置かれている学級を、2026年10月14日に確認した国・東京都・八王子市の資料で整理します。
特別支援学級の7つの種類と対象

特別支援学級の対象は、文部科学省の通知(2013年、25文科初第756号)で、障害の種類ごとに示されています。
| 種類 | 対象(通知の文言を要約) |
|---|---|
| 知的障害 | 知的発達の遅れがあり、人との意思疎通に軽い困難があって、日常生活に一部援助が必要で、社会生活への適応が難しい程度 |
| 肢体不自由 | 補装具を使っても、歩く・書くなどの日常の基本的な動作に軽い困難がある程度 |
| 病弱・身体虚弱 | 慢性の病気などで、医療や生活の管理が続けて、またはときどき必要な程度。身体虚弱の状態で、生活の管理が続けて必要な程度 |
| 弱視 | 拡大鏡などを使っても、通常の文字や図形を目で見て認識するのが難しい程度 |
| 難聴 | 補聴器などを使っても、通常の話し声を聞き取るのが難しい程度 |
| 言語障害 | 構音障害、吃音、言葉の発達の遅れなどがあり、その程度が著しいもの(ほかの障害が主な原因ではない場合) |
| 自閉症・情緒障害 | 自閉症やそれに類するもので、人との意思疎通や対人関係をつくるのが難しい程度。主に心理的な要因による選択性かん黙などがあり、社会生活への適応が難しい程度 |
障害の判断は、教員による観察・検査や専門医の診断などをもとに、「教育学,医学,心理学等の観点から総合的かつ慎重に」行うとされています(同じ通知)。通知の文言に、IQなどの数値の基準はありません。
入るための基準や就学相談の流れは、特別支援学級に入る基準で詳しく説明しています。
法律に名前があるのは5つ
学校教育法第81条は、特別支援学級を置くことができる対象として、知的障害者、肢体不自由者、身体虚弱者、弱視者、難聴者の5つを挙げています。6つ目は「その他障害のある者で、特別支援学級において教育を行うことが適当なもの」です。
言語障害と自閉症・情緒障害の名前は、法律の条文にはありません。病弱・身体虚弱の区分のうち、法律にあるのは「身体虚弱者」だけです。7つの区分は、文部科学省の通知が示しているものです。
種類ごとの在籍者数|情緒と知的で97%

2025年5月1日時点の、全国の特別支援学級の在籍者数は次のとおりです(文部科学省「学校基本調査」令和7年度確定値。国公私立の計)。
| 種類 | 小学校 | 中学校 | 義務教育学校 | 合計(当サイトが計算) | 割合(当サイトが計算) |
|---|---|---|---|---|---|
| 自閉症・情緒障害 | 16万1,731人 | 6万1,412人 | 2,713人 | 22万5,856人 | 53.8% |
| 知的障害 | 12万6,189人 | 5万4,302人 | 2,394人 | 18万2,885人 | 43.6% |
| 肢体不自由 | 2,927人 | 1,076人 | 53人 | 4,056人 | 1.0% |
| 病弱・身体虚弱 | 2,547人 | 1,140人 | 40人 | 3,727人 | 0.9% |
| 難聴 | 1,216人 | 540人 | 21人 | 1,777人 | 0.4% |
| 言語障害 | 712人 | 115人 | 13人 | 840人 | 0.2% |
| 弱視 | 401人 | 152人 | 6人 | 559人 | 0.1% |
| 計 | 29万5,723人 | 11万8,737人 | 5,240人 | 41万9,700人 | - |
自閉症・情緒障害の学級がいちばん多く、知的障害の学級と合わせると97.4%です。ほかの5つの種類は、合わせて2.6%でした。
特別支援学級に通う子の全体の人数と、卒業後の進路は、特別支援学級の「その後」にまとめています。
知的障害の学級と、自閉症・情緒障害の学級の違い

2つの学級のいちばん大きな違いは、知的障害があるかどうかと、それによって勉強の内容をどこまで変えるかです。
| 項目 | 知的障害の学級 | 自閉症・情緒障害の学級 |
|---|---|---|
| 主な対象 | 知的発達に遅れがある子 | 自閉症やそれに類するもの、選択性かん黙などがある子。東京都は「知的障害のない自閉症等の児童・生徒」としている |
| 勉強の内容 | 子どもの状態によって、下の学年の内容や、知的障害の特別支援学校の教科に替えることがある | 東京都では、小・中学校の教育課程に準ずる(原則として同じ)ことが基本 |
| 共通すること | 障害による困難を克服するための「自立活動」を取り入れる | 同じ |
勉強の内容を替えられる仕組み
小学校と中学校の学習指導要領(2017年告示)は、特別支援学級の特別の教育課程について、2つのことを定めています。
- 障害による学習上・生活上の困難を克服し自立を図るため、「自立活動」を取り入れる
- 障害の程度や学級の実態を考えて、各教科の目標や内容を下の学年のものに替えたり、知的障害の特別支援学校の各教科に替えたりして、実態に応じた教育課程をつくる
文部科学省の「教育支援の手引」(2021年)は、知的障害の学級も小・中学校の教育課程に準ずるのが原則で、子どもの状態によって特別の教育課程をつくれる、と説明しています。下の学年の内容に替えるのは、それまでに学んだことや身についた程度を確かめたうえで行う、としています。
東京都の情緒の学級は「教科別の指導」が基本
東京都教育委員会は、自閉症・情緒障害の学級について、知的障害の特別支援学校で行う「各教科等を合わせた指導」ではなく、各教科等別の指導を基本とする、としています(都の教育課程編成の手引)。
たとえば、都が知的障害の特別支援学校に設けている「社会性の学習」は、情緒の学級の教育課程に、そのまま位置付けることはできません。障害に配慮した指導として自立活動の時間を設け、その中で「社会性の学習」の内容を参考にするのは有効だ、としています(都の資料、2016年)。
知的障害もある場合
文部科学省の手引は、知的障害もあって、各教科を知的障害の特別支援学校の各教科に替える必要がある子については、知的障害の学級で学ぶことも十分に検討する必要がある、としています。
どちらの学級が合うかは、診断名だけでなく、勉強の内容をどこまで変える必要があるかで考えることになります。
どちらの学級でも取り入れる自立活動の中身は、自立活動とは?6区分27項目と具体例、家庭でできることで紹介しています。
1学級は8人が標準

公立の小・中学校の特別支援学級は、1学級8人を標準として、都道府県の教育委員会が基準を定めます。都道府県の教育委員会は、それより少ない人数を定めることもできます(公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律、第3条)。
インターネットでは「定員8人」と書かれていることがありますが、法律の言い方は「定員」ではなく「標準」です。八王子市の知的障害の学級は、全学年を合わせて8人で1学級になります(市の就学相談ガイド)。
東京都では、7つすべてが固定の学級ではない

東京都の小・中学校の特別支援学級は、「固定学級」と「通級指導学級」に分かれています(東京都教育委員会の資料、2025年3月)。
| 区分 | 種類 | 籍 |
|---|---|---|
| 固定学級 | 知的障害、肢体不自由、病弱、自閉症・情緒障害 | 特別支援学級に籍を置き、毎日通う |
| 通級指導学級 | 弱視、難聴、言語障害 | 通常の学級に籍を置き、大部分の授業を通常の学級で受けながら、一部の授業で特別な指導を受ける |
| 特別支援教室 | 知的障害がなく、自閉症、情緒障害、学習障害、注意欠陥多動性障害がある子 | 通常の学級に籍を置き、原則として自分の学校で指導を受ける(都独自の仕組み) |
学校基本調査(2025年5月1日時点)では、東京都の弱視・難聴・言語障害の特別支援学級の在籍者は、小学校・中学校とも0人です。当サイトは、通級指導学級に通う子は籍が通常の学級にあるため、この数に入らないと理解しています。
| 東京都の特別支援学級の在籍者(国公私立の計。義務教育学校を除く) | 小学校 | 中学校 |
|---|---|---|
| 知的障害 | 8,864人 | 4,657人 |
| 自閉症・情緒障害 | 1,768人 | 958人 |
| 肢体不自由 | 48人 | 15人 |
| 病弱・身体虚弱 | 33人 | 0人 |
| 弱視・難聴・言語障害 | 0人 | 0人 |
| 計 | 1万713人 | 5,630人 |
東京都では、全国と違い、知的障害の学級に通う子がいちばん多くなっています。当サイトは、知的障害のない発達障害の子の多くが、特別支援学級ではなく特別支援教室を利用しているためだと考えています。特別支援学級・通級・特別支援学校・特別支援教室の違いは、特別支援学級と通級などの違いにまとめています。
八王子市にある学級と教室

八王子市の小・中学校と義務教育学校に置かれているのは、次の学級と教室です(八王子市のホームページ、2026年4月からの設置状況)。
| 種類 | 設置校 | 通い方 |
|---|---|---|
| 知的障害の特別支援学級(固定制) | 小学校28校、中学校20校 | 学級に籍を置き、毎日通う |
| 特別支援教室 | 全ての小・中学校(拠点校は小学校26校、中学校10校) | 在籍する学校で、巡回する教員の指導を受ける |
| 難聴の通級指導学級 | 小学校1校、中学校1校 | 週1回程度。保護者が送迎する |
| 言語障害の通級指導学級 | 小学校4校 | 週1回程度。保護者が送迎する |
自閉症・情緒障害の固定制の学級は、2025年の時点で市内に置かれていません(八王子市)。肢体不自由と視覚・聴覚の障害がある子については、市は都立の特別支援学校も案内しています。
八王子市は、2027年4月に開設する新しい知的障害の学級と、特別支援教室の拠点校も案内しています。最新の設置校は、市のホームページで確認してください。
当サイトとしては、八王子市で情緒の学級を考えている保護者には、まず市の就学相談で、特別支援教室を含めた選択肢を確かめることをおすすめします。
療育の全体像は療育とは?内容・効果の考え方・いつから始めるかで整理しています。
よくある質問

- Q特別支援学級は何種類ありますか?
- A
国の通知で7種類に分けられています。知的障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱、弱視、難聴、言語障害、自閉症・情緒障害です。
- Q知的クラスと情緒クラスは、何が違いますか?
- A
知的障害の学級は、子どもの状態によって、勉強の内容を下の学年や知的障害の特別支援学校の教科に替えることがあります。東京都の情緒の学級は、知的障害のない子が対象で、通常の学級と原則として同じ教育課程が基本です。
- Q特別支援学級に多い障害は何ですか?
- A
全国では自閉症・情緒障害の学級で、在籍者の53.8%です。次が知的障害の学級で43.6%です(2025年5月1日時点。当サイトが計算)。
- Q特別支援学級は1クラス何人までですか?
- A
公立の小・中学校の場合、法律では、1学級8人を「標準」として、都道府県の教育委員会が基準を定めることになっています。それより少ない人数を定めることもできます。
- Q東京都に難聴や言語障害の特別支援学級はありますか?
- A
固定の学級ではなく、通常の学級に籍を置いて一部の時間だけ通う「通級指導学級」として置かれています。学校基本調査(2025年5月1日時点)では、東京都の弱視・難聴・言語障害の特別支援学級の在籍者は0人です。
- Q特別支援学級と特別支援教室は、何が違いますか?
- A
特別支援学級は、その学級に籍を置いて学びます。東京都の特別支援教室は、通常の学級に籍を置いたまま、原則として自分の学校で一部の時間だけ指導を受ける仕組みです。対象は、知的障害がなく、発達障害などがある子です。
- Q高校に特別支援学級はありますか?
- A
学校教育法は、高等学校にも特別支援学級を置くことができるとしています。高校では、2018年度から、ふだんは通常の授業を受け、一部の時間だけ特別な指導を受ける「通級による指導」ができるようになりました(文部科学省の2016年の通知)。東京都は2021年度から都立高校に特別支援教室を置いています。進学先の高校でどんな支援が受けられるかは、各高校に確認してください。
- Q八王子市に情緒の特別支援学級はありますか?
- A
八王子市によると、自閉症・情緒障害の固定制の学級は、2025年の時点で置かれていません。特別支援教室は全ての小・中学校にあります。
まとめ

- 特別支援学級の種類は、国の通知で7つです。学校教育法が名前を挙げているのは5つ(病弱・身体虚弱は「身体虚弱者」の名前だけ)で、言語障害と自閉症・情緒障害は条文にありません
- 全国では、自閉症・情緒障害(53.8%)と知的障害(43.6%)で97%以上を占めます(2025年5月1日時点)
- 知的障害の学級は勉強の内容を替えることがあり、東京都の情緒の学級は通常の学級と原則同じ教育課程が基本です
- 東京都では、弱視・難聴・言語障害は通級指導学級です
- 八王子市には、知的障害の固定学級、特別支援教室、難聴・言語障害の通級指導学級があり、情緒の固定学級はありません(2025年時点)
※本記事は2026年10月14日時点の、国・東京都・八王子市の公開情報にもとづく一般的な情報提供です。就学先の判断は、学校や市区町村の就学相談の窓口にご相談ください。設置校や制度は変わることがあります。
主な出典(いずれも2026年10月14日確認):学校教育法(e-Gov法令検索)/公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律(e-Gov法令検索)/文部科学省「障害のある児童生徒等に対する早期からの一貫した支援について(通知)」(平成25年)/文部科学省「小学校学習指導要領」「中学校学習指導要領」(平成29年告示)/文部科学省「学校教育法施行規則の一部を改正する省令等の公布について(通知)」(平成28年12月、28文科初第1038号)/文部科学省「障害のある子供の教育支援の手引」(令和3年)/文部科学省「学校基本調査」令和7年度確定値(e-Stat。小学校 表51、中学校 表78、義務教育学校 表105、都道府県別の種類別在籍者数)/東京都教育委員会「特別支援学校・特別支援学級の理解推進資料」(令和7年3月)/東京都教育委員会「自閉症・情緒障害特別支援学級の教育課程の在り方」(平成28年3月)/東京都教育委員会「教育課程編成の手引」(固定学級の教育課程)/東京都教育委員会「東京都の発達障害教育」リーフレット/八王子市「障害のあるお子さんの学級・教室・学校について」と「就学相談ガイド」


