放課後等デイサービス(放デイ)とは、発達に特性のある就学児(小学生〜高校生年代)が、放課後や学校休業日に通える福祉サービスです。児童福祉法に基づく公的制度で、自治体発行の「通所受給者証」があれば自己負担1割・月額上限つきで利用できます。
内容は「発達支援」と「安心できる居場所」の両方。そして、このサイトの読者に大事な情報を先に——不登校の子も放デイを利用できます。国のガイドラインにも、不登校の状態にある子への支援についての記載があります(詳細は後述)。
放デイの基本|誰が・いつ・何をする場所か

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 就学している障害・発達特性のある子(小1〜高3年代)。診断名や障害者手帳は必須ではない(国の事務処理要領。確認に使う書類は自治体ごとに決まっている) |
| 利用時間 | 平日の放課後+土曜・長期休みなどの学校休業日 |
| 内容 | 個別・小集団の発達支援(SST・学習支援・運動・創作など)+居場所機能+送迎(事業所による) |
| 家族側の意味 | 親の休息(レスパイト)・家庭以外の見守りの目が増える |
未就学児向けの「児童発達支援」と制度上つながっており、就学を境に放デイへ移行する形です(療育全体の見取り図は療育とはへ)。
未就学のお子さんが通うのは放デイではなく、児童発達支援です。両者の違いは児童発達支援とは?放課後等デイサービスとの違いを一枚で整理で確認できます。
事業所には「タイプ」がある

同じ放デイでも、中身は事業所によって大きく違います。
- 専門特化型——運動療育・学習支援・言語(ST)・プログラミングなど、プログラムに軸があるタイプ
- 居場所型——宿題・自由遊び・おやつなど、安心して過ごすことに軸があるタイプ
- 習い事型——特定の活動(音楽・アート・スポーツ)を療育的な配慮つきで行うタイプ
どれが正解ではなく、「今のわが子に必要なのは訓練か、居場所か」で選ぶのがコツです。エネルギーが下がっている時期に訓練色の強い事業所を選ぶと、通うこと自体が負担になります。
料金|1割負担と月額上限

児童発達支援と同じ国の仕組みで、自己負担は費用の1割まで・残りは公費で、世帯所得に応じた月額上限があります。費用の出どころや制度の課題は、放課後等デイサービスは「ずるい」のかで整理しています。
| 世帯区分 | 月額上限 |
|---|---|
| 生活保護・住民税非課税世帯 | 0円 |
| 住民税課税世帯(所得割28万円未満・年収目安約890万円以下) | 4,600円 |
| 上記以上の世帯 | 37,200円 |
- 上限到達後はその月何回使っても負担は増えません(おやつ代等の実費は別)
- 未就学の3〜5歳無償化は児童発達支援の制度のため、就学児の放デイは無償化の対象外です(非課税世帯の0円はあります)
不登校でも利用できる|日中の居場所として

放デイは制度上「授業終了後・休業日」の利用が基本です。国のガイドラインには、不登校の状態にある子への支援についての留意点が書かれています。2024年度の報酬改定では、不登校の子に、学校と連携しながら支援した場合の加算もできました。ポイントは次の3つです。
- 学校などとの連携が前提——国のガイドラインは、放デイだけで支えるのではなく、学校や家庭など関係者で状況を共有し、連携して支援することが重要だとしています。安易に不登校の状態が続くことのないよう留意すること、ともしています
- 平日日中の利用は相談ベース——学校のある時間帯の利用可否・扱いは自治体・事業所の判断によるため、見学時に「不登校の子の受け入れ実績と利用時間」を確認してください
- 出席扱いは在籍校の校長の判断——放デイでの活動が出席扱いになるかどうかは、在籍校の校長が判断します。考え方はフリースクール等の出席扱いと同じで、学校との連携が前提です
当サイトは、不登校で発達に特性のある子の家庭にとって、放デイは「学校か家か」以外の居場所の候補になると考えます。
選び方|5つのチェック

- 見学・体験で本人の反応を見る——プログラムより「本人がまた行きたがるか」が最優先
- タイプの一致——訓練が必要な時期か、居場所が必要な時期か(前述)
- 専門性とスタッフ体制——特性への対応経験・専門職の在籍・個別支援計画の説明が具体的か
- 送迎・利用枠の現実性——送迎範囲・曜日の空き。人気事業所は待機が普通なので複数並行で
- 家族支援——面談・ペアレントトレーニング・学校との連携をしてくれるか
よくある質問

- Q何年生まで使えますか?
- A
高校などに就学している間は対象です。引き続き支援を受けなければ福祉を損なうおそれがあると認められるときは、満20歳になるまで利用できます(こども家庭庁)。高校生の利用者も珍しくなく、進路準備(生活スキル・就労準備)に軸を置く事業所もあります。
- Q療育手帳がなくても使えますか?
- A
使えます。必要なのは通所受給者証です。国の事務処理要領は、診断名や障害者手帳を必須の要件としていません。確認に使う書類は自治体ごとに決まっています。手帳との違いは療育手帳とはで解説しています。
- Q週に何日通えますか?
- A
受給者証に記載される「支給量」(月あたりの利用可能日数)の範囲内で通えます。国は、原則として各月の日数から8日を引いた日数を上限とするよう示しています。支給量は申請時の状況に応じて自治体が決めるため、希望日数がある場合は申請時に相談してください。
- Q学童保育との違いは何ですか?
- A
学童(放課後児童クラブ)は、保護者が仕事などで昼間家庭にいない小学生に、遊びと生活の場を提供する事業です。放デイは、障害のある就学児への発達支援が目的です。どちらも児童福祉法にもとづく事業で、併用している家庭もあります。
- Q複数の事業所を併用できますか?
- A
できます。支給量の範囲内であれば「月・水はA事業所、金はB事業所」のような使い方が可能です。タイプの違う事業所の組み合わせ(学習系+居場所系など)は実務でもよく使われます。
まとめ:公費で使える「第3の居場所」

- 放デイ=就学児の発達支援+居場所。負担は1割まで・月額上限つき(非課税世帯0円・課税世帯は4,600円または37,200円)
- 手帳必須ではない。必要なのは受給者証(診断名・手帳は必須の要件ではない。確認書類は自治体ごと)
- 不登校でも使える。日中利用・出席扱いは自治体・学校との相談で
- 選び方は「訓練か居場所か」×「本人がまた行きたがるか」。人気事業所は複数並行で
→ 療育全体の入口:療育とは?内容・効果の考え方
→ 学齢期の学びの選択肢:フリースクールとは
※本記事は2026年10月時点の一般的な情報提供です。受給者証の運用・支給量・不登校時の利用可否は自治体・事業所により異なります。必ずお住まいの自治体の窓口・各事業所でご確認ください。
主な出典:児童福祉法(放課後等デイサービス)/こども家庭庁 利用者負担の仕組み/こども家庭庁「障害児通所給付費に係る通所給付決定事務等について」(事務処理要領・令和8年3月版)/こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン」(令和6年7月)/こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容(障害児関係)」


