起立性調節障害(OD)は、自律神経の調節がうまくいかないことで起こる身体の病気で、思春期に発症しやすいとされています(日本小児心身医学会)。立ちくらみや朝起きられないといった症状が、午前中に強く出るのが特徴です。
チェック項目のうち3つ以上、あるいは2つ以上でも症状が強い場合は、起立性調節障害の可能性があるとされています。 このページのセルフチェックは、熊本県教育委員会・熊本県の資料(2025年3月)に載っている11項目と、その基準を使っています。
このチェックは診断ではありません。結果の見方、受診の流れと相談先、家庭と学校でできることを、2026年10月14日に確認した学会と自治体の資料で整理します。
セルフチェック|11項目

この数週間の様子を思い出して、当てはまるものを選んでください。中学生・高校生の本人が答えても、保護者が子どもの様子を見て答えてもかまいません。
起立性調節障害 セルフチェック(11項目)
この数週間の様子を思い出して、当てはまるものを選んでください。中学生・高校生の本人でも、保護者が子どもの様子を見て答えても使えます。
当てはまる項目:0 / 11
当てはまる項目を選ぶと、ここに目安が表示されます。
- このチェックは診断ではありません。起立性調節障害かどうかは、医療機関で、ほかの病気がないことを確かめたうえで、新起立試験などで判断されます。
- 項目は、熊本県教育委員会・熊本県「起立性調節障害対応ガイドライン」(令和7年3月)に載っている11項目です(同資料は引用・参考資料として、日本小児心身医学会のホームページと岡山県教育委員会のガイドラインを挙げています)。目安の文は、同じ資料のチェックシートの基準(3つ以上、あるいは2つ以上でも症状が強い場合)にもとづきます。
- 選んだ内容は、この画面の中だけで数えています。どこにも送信・保存しません。
選んだ内容は、この画面の中だけで数えていて、どこにも送信・保存しません。
結果の見方|1つだけでは判断できない

当てはまる数がいくつでも、チェックだけで起立性調節障害とは言えません。 1つや2つなら、なおさら判断できません。中学生女子の調査でも、だるさや立ちくらみを感じる生徒は多いからです。
日本学校保健会の調査(2010年度)では、中学生女子の62.6%が「身体のだるさや疲れやすさを感じることがある」と答えています。
| 自覚症状(中学生女子) | 当てはまると答えた割合 |
|---|---|
| 身体の「だるさ」や「疲れやすさ」を感じることがある | 62.6% |
| 「たちくらみ」やめまいを感じることがある、または、立ち上がるときにそっと立つことがある | 42.9% |
| 乗り物に酔いやすい | 41.5% |
| 頭が痛くなることがある | 34.8% |
| 午前中、頭痛や腹痛や体のだるさで、調子が悪いことがある | 23.4% |
出典は、厚生労働省の審議会資料に載っている、日本学校保健会「平成22年度児童生徒の健康状態サーベイランス」です。同じ資料は、自分で答えた自覚症状から推計したもので、検査にもとづく診断ではないと注意書きしています。
そのため、目安は「いくつ当てはまるか」と「症状の強さ」の組み合わせで考えます。
| 結果 | 考え方 |
|---|---|
| 3つ以上当てはまる | 起立性調節障害の可能性があるとされる。医療機関に相談する |
| 2つ当てはまり、症状が強い | 起立性調節障害の可能性があるとされる。医療機関に相談する |
| 上のどちらにも当てはまらない | この基準には当てはまらない。ただし、つらい症状が続くなら、数にかかわらず相談してよい |
熊本県の資料のチェックシートと学会の一般向けページ(2026年10月14日確認)は、「症状が強い」の定義を示していません。このページのツールでは、当サイトの目安として、朝の支度や登校、授業など、毎日の生活に支障が出ている状態を「症状が強い」としています。
起立性調節障害とは|中学生の約1割

日本小児心身医学会は、起立性調節障害の有病率を、軽症も含めて中学生の約10%としています。不登校の子の約3〜4割に、起立性調節障害が併存するとも説明しています。
| 特徴 | 学会の説明 |
|---|---|
| 主な症状 | 頭痛、立ちくらみ、めまい、朝の起床困難、だるさ、食欲低下、失神など |
| 時間帯 | 午前に強く、午後に軽くなる傾向がある |
| 姿勢 | 立ったり座ったりすると強まり、横になると軽くなる |
| 天気 | 雨の前など、気圧の変化の影響を受けやすい |
| 睡眠 | 夜に目がさえて眠れず、悪化すると昼夜逆転になることもある |
起立性調節障害は、気持ちの問題ではなく身体の病気です。 朝起きられないことを「怠け」と受け取られやすい病気でもあります。誤解されたときの影響や、学校との付き合い方は、起立性調節障害と不登校|「朝起きられない」は怠けではないで説明しています。
受診すると何をするか|ほかの病気がないかも調べる

日本小児心身医学会は、診断の流れを次のように示しています。
- 症状から、起立性調節障害を疑う
- 鉄欠乏性貧血、心疾患、てんかんなどの神経の病気、甲状腺などの内分泌の病気など、ほかの病気がないことを確かめる
- 新起立試験を行い、タイプ(サブタイプ)を判定する
- 検査結果と毎日の生活の状況から、身体的な重症度を判定する
- 「心身症としてのOD」チェックリストで、心理社会的な関わりを評価する
セルフチェックの結果が当てはまっても、ほかの病気の可能性もあるので、自己判断せずに医療機関で調べてもらってください。
新起立試験は、横になって休んだときと、立ち上がったあとの血圧と心拍数を測る検査です。熊本県教育委員会・熊本県の資料は、検査は午前中に行い、1回で判定できない場合は複数回行うことがある、と説明しています。
サブタイプには、起立直後性低血圧、体位性頻脈症候群、血管迷走神経性失神、遷延性起立性低血圧の4つがあります(学会)。
どこに相談するか|まずはかかりつけ医や学校医へ

当サイトは、最初の相談先はかかりつけ医や学校医でよいと考えています。熊本県教育委員会・熊本県の資料も、まずはかかりつけ医や学校医への相談・受診も効果的だとしています。
| 相談先 | 学会や資料の説明 |
|---|---|
| かかりつけ医・学校医 | まず相談・受診することも効果的(熊本県の資料) |
| 小児科の専門外来(心身症外来など) | 子どもの心身症を診てもらうのに最適(学会) |
| 児童精神科 | 子どもの心身症を診てもらうのに最適(学会) |
| 心療内科 | 大人の心身症が専門で、子どものことはそれほど詳しくない所が多い(学会) |
受診の前に、医療機関に電話して、受診できる年齢や予約・紹介状の要否を確かめてください。 医療機関によって、受診できる年齢に制限があったり、紹介状が必要だったりする場合があります(熊本県の資料)。
受診のときは、症状の出る時間帯(午前がつらく午後は楽になるか)、立ちくらみの回数、セルフチェックで当てはまった項目をメモして持っていくと伝えやすくなります。不登校の相談先の全体は、不登校の相談先一覧にまとめています。
家庭でできる工夫|医師の指示とあわせて

日本小児心身医学会は、日常生活上の工夫として、次のことを挙げています。
| 工夫 | 学会の説明 |
|---|---|
| 立ち方 | 頭を下げながらゆっくり立つ |
| 立っている時間 | じっと立ったままの姿勢は1〜2分以上続けない。短い時間でも足をクロスする |
| 水分と塩分 | 水分は1日1.5〜2リットル、塩分は普段の食事+3グラムを目安にする |
| 運動 | 毎日30分程度歩き、筋力が落ちるのを防ぐ |
| 生活リズム | 早寝早起きなど、規則正しい生活リズムを心がける |
水分や塩分の量は、持病がある場合などは医師の指示を優先してください。 資料によって目安が少し違うこともあります。例えば、立ったままの姿勢の上限は、熊本県の資料では3〜4分とされています。
学会は、日常生活に支障のない軽症の場合は適切な治療で2〜3か月で改善し、学校を長く休む重症の場合は、社会復帰に2〜3年以上かかることがあるとしています。熊本県の資料は、高校卒業のころには9割程度の症例で、日常生活に支障をきたすことが少なくなるとしています。
学校との連携|体育や行事の配慮

学会のリーフレット「起立性調節障害~クラスメートに知ってほしいこと~」は、午前中に調子が悪いことや、元気だった翌日に休むことがあることを、クラスメートにも理解してほしいと伝えています。卒業式のような立ったままの行事がつらいことにも触れています。
熊本県の資料は、体育の見学は、日陰か室内で座った姿勢で行うよう学校に求めています。
配慮してほしいことは、診断や医師の意見をもとに、学校と前もって話し合っておくと安心です。 休む日が増えたときの出席の扱いは、不登校の出席扱いで説明しています。
チェック項目の出典について

このページの11項目は、熊本県教育委員会・熊本県「起立性調節障害対応ガイドライン」(令和7年3月)に載っているものです。同じ資料は、引用・参考資料として、日本小児心身医学会のホームページと岡山県教育委員会のガイドラインを挙げています。基準の文(3つ以上、あるいは2つ以上でも症状が強い場合)は、同じ資料のチェックシートにもとづきます。
日本小児心身医学会の一般向けページは、症状の名前を並べて「3つ以上、あるいは2つ以上でも症状が強ければ起立性調節障害を疑います」と説明しています。
学会の診療ガイドラインは、2025年10月に改訂第3版が出ています。当サイトは2026年10月14日時点で第3版の本文を確認できていないため、項目や基準が変わっている可能性があります。 なお、同じ日に確認した学会の一般向けページは、上と同じ基準の文を載せています。
よくある質問

- Qいくつ当てはまったら受診したほうがいいですか?
- A
3つ以上、あるいは2つ以上でも症状が強い場合は、起立性調節障害の可能性があるとされています。数にかかわらず、つらい症状が続くときは相談してかまいません。
- Qチェックで当てはまらなければ、起立性調節障害ではないのですか?
- A
このチェックだけでは判断できません。診断は、医療機関でほかの病気がないことを確かめたうえで、新起立試験などで行われます。
- Q何科を受診すればいいですか?
- A
まずは、かかりつけ医や学校医に相談するとよいでしょう。日本小児心身医学会は、子どもの心身症は小児科の専門外来か児童精神科で診てもらうのが最適だとしています。
- Q大人でもこのチェックは使えますか?
- A
このページの項目は、子どもの起立性調節障害について書かれた熊本県教育委員会・熊本県の資料のものです。大人の症状は、内科などの医療機関に相談してください。
- Q起立性調節障害は治りますか?
- A
日本小児心身医学会は、日常生活に支障のない軽症の場合は、適切な治療で2〜3か月で改善するとしています。重症の場合は、社会復帰に2〜3年以上かかることがあります。
- Q朝起きられないのは、夜ふかしのせいではないのですか?
- A
夜に目がさえて眠れなくなるのも、起立性調節障害の症状の一つとされています(日本小児心身医学会)。生活習慣だけの問題と決めつけず、医療機関で相談してください。
まとめ

- 起立性調節障害は、自律神経の調節の不調による身体の病気で、中学生の約1割にみられるとされています
- 11項目のうち3つ以上、あるいは2つ以上でも症状が強い場合は、起立性調節障害の可能性があるとされています
- だるさや立ちくらみは、中学生女子の調査でも多くの生徒が感じている症状のため、チェックだけでは判断できません
- ほかの病気の可能性もあるので、まずはかかりつけ医や学校医に相談してください
- このチェックは診断ではありません
※本記事は2026年10月14日時点の、日本小児心身医学会・熊本県教育委員会・熊本県・厚生労働省の公開資料にもとづく一般的な情報提供です。診断や治療に代わるものではありません。体調に不安があるときは、医療機関に相談してください。
主な出典(いずれも2026年10月14日確認):日本小児心身医学会「起立性調節障害(OD)」/日本小児心身医学会「心身症について」(一般向けページ)/日本小児心身医学会「起立性調節障害~クラスメートに知ってほしいこと~」/日本小児心身医学会「小児心身医学会ガイドライン集 改訂第3版」の刊行のお知らせ(2025年10月)と南江堂の書誌情報/熊本県教育委員会・熊本県「起立性調節障害対応ガイドライン-理解とその対応-」(令和7年3月)/厚生労働省 審議会資料「起立性調節障害症状について」(日本学校保健会「平成22年度児童生徒の健康状態サーベイランス」)

