通所受給者証とは?療育手帳との違い・申請の流れ・支給量【2026年8月時点】

通所受給者証・支援事業所・利用日数を自治体窓口で相談する親子 療育・制度

通所受給者証(正式には「障害児通所受給者証」)とは、児童発達支援や放課後等デイサービスなどの通所支援を、自己負担1割で利用するために市区町村が発行する証明書です。

最初に、最も多い誤解を解いておきます。受給者証は療育手帳とは別の制度で、手帳がなくても取得できます。「手帳を取るほどではない」「診断を受けるか迷っている」段階の子でも、医師の意見書などがあれば発行される自治体が多数——つまり、療育を始めるハードルは思われているよりずっと低い、ということです。

受給者証と療育手帳の違い

通所サービス利用券と生活全般の支援につながる療育手帳の違い
項目通所受給者証療育手帳
目的福祉サービス(児発・放デイ等)を1割負担で使うための利用券知的障害の証明。手当・割引・控除など生活全般の支援の入口
発行市区町村(窓口申請)都道府県等(児童相談所等の判定が必要)
取得の要件支援の必要性(診断がなくても意見書等で可の自治体多数知的障害の判定(IQ目安あり)
どちらが必要?療育に通うならこちらが必須療育に通うだけなら不要

詳しくは療育手帳とはで解説していますが、覚え方はシンプルで、「通うための券=受給者証」「証明のカード=手帳」。両方持つ子もいれば、受給者証だけの子も多くいます。

対象になる子

診断確定前を含む支援ニーズの根拠を自治体へ相談する家族

法律上の対象は「障害児」ですが、実務の運用は広く、診断名が確定していないグレーゾーンの子も対象になりえます。取得の根拠として使えるのは自治体により:

  • 医師の診断書または意見書(「支援が必要」という趣旨のもの)
  • 保健センター・児童相談所等の意見
  • 療育手帳・精神障害者保健福祉手帳(あれば)

「診断を受けるか迷っている」段階なら、まず市区町村の障害福祉窓口か児童発達支援センターに「受給者証を検討している」と相談するのが入口です。

申請の流れ|5ステップ

窓口相談・書類・調査・交付・事業所契約の五段階
  1. 市区町村の窓口に相談——必要書類(意見書の様式など)を確認します。並行して利用したい事業所の見学を始めると効率的です
  2. 書類をそろえて申請——申請書・医師の意見書等・マイナンバー関係など(自治体の案内どおり)
  3. 調査・ヒアリング——自治体の担当者による聞き取り(子どもの様子・利用希望日数など)。「障害児支援利用計画」の作成が必要な場合は、相談支援事業所に依頼するかセルフプランで作成します
  4. 支給決定・交付——利用できる日数(支給量)が決まり、受給者証が交付されます。申請から交付まで数週間〜1〜2カ月が目安です
  5. 事業所と契約して利用開始——受給者証を提示して契約します

急いでいる場合のコツは、窓口相談と事業所見学を同時並行にすること。人気事業所は空き待ちがあるため、交付を待ってから探し始めると二重に待つことになります。

「支給量」とは|月に使える日数

月の利用日数を複数事業所で共有し必要に応じ見直す仕組み

受給者証には支給量(月あたりの利用可能日数)が記載されます(例:「月10日」)。ここは実務上のポイントが3つ:

  • 支給量は申請時のヒアリングをもとに自治体が決めます。希望する利用ペースは遠慮なく伝えてください
  • 複数の事業所を併用する場合も、合計が支給量の範囲内であればOKです
  • 生活の変化で足りなくなったら、変更申請で増やせます(減らすことも可能)

費用|1割負担と月額上限

公費負担・世帯上限・就学前支援・別途実費の費用構造

受給者証で利用する通所支援は、自己負担1割+世帯所得に応じた月額上限です(国制度・全国共通)。

世帯区分月額上限
生活保護・住民税非課税世帯0円
住民税課税世帯(所得割28万円未満・年収目安約890万円以下)4,600円
上記以上の世帯37,200円

満3歳後の4月1日から就学までの3年間は無償化の対象です(児童発達支援)。費用のしくみは療育とは放課後等デイサービスとはでも解説しています。

更新について

有効期限前に利用状況と支給量を自治体で見直す更新手続き

受給者証には有効期間があり、1年ごとの更新が一般的です(自治体により異なります)。期限が近づくと案内が届くので、期日までに更新手続きを行ってください。更新時に支給量の見直し(増減)も相談できます。

よくある質問

手帳なし・診断前・申請窓口・きょうだい・情報共有を相談する家族

Q. 療育手帳がなくても本当に取れますか?

取れる自治体が多数です。受給者証の根拠は「支援の必要性」であり、手帳の有無ではありません。窓口で「手帳はないが医師の意見書はある(または取れる)」と伝えれば、手続きを案内してもらえます。

Q. 診断がついていない場合はどうすればいいですか?

医師の「意見書」(診断名の確定がなくても「支援が必要」という趣旨の書面)で申請できる自治体が多くあります。かかりつけの小児科・発達外来に「受給者証の申請に意見書が必要」と伝えて相談してください。

Q. どこで申請しますか?

お住まいの市区町村の障害福祉課(自治体により名称は異なります)です。児童発達支援センターや利用予定の事業所も、手続きの案内に慣れているので相談先になります。

Q. きょうだいで使う場合はそれぞれ必要ですか?

はい、受給者証は子ども一人ずつの発行です。負担上限は世帯単位の合算調整の仕組みがあるため、複数人利用時の負担は窓口で確認してください。

Q. 受給者証を取ると学校や周囲に知られますか?

自動的に知られることはありません。福祉サービスの利用情報が学校へ勝手に共有される仕組みはなく、学校との情報共有は保護者の判断で行うものです。

まとめ:「通うための券」。手帳より先に、気軽に取ってよい

窓口相談と事業所見学を並行し通所支援を始める親子
  • 受給者証=児発・放デイを1割負担で使う利用券。療育手帳とは別制度
  • 手帳なし・診断確定前でも取得できる自治体が多数(医師の意見書等)
  • 申請〜交付は数週間〜。窓口相談と事業所見学は同時並行が時短のコツ
  • 支給量は希望を伝えてよく、あとから変更もできる

→ 療育の全体像:療育とは?内容・効果の考え方・いつから始めるか

→ 就学後の受け皿:放課後等デイサービスとは


※本記事は2026年8月時点の一般的な情報提供です。受給者証の取得要件・必要書類・支給量の運用は市区町村により異なります。必ずお住まいの自治体の障害福祉窓口でご確認ください。

主な出典児童福祉法(障害児通所支援)/こども家庭庁 利用者負担の仕組み

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