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就労移行支援のからくりとは?利用料と事業所の報酬の仕組み|「やめとけ」と言われる理由も解説

棒グラフが映るモニターの横で、女性と笑顔で話すジャケット姿の男性 利用前の不安・疑問

本記事は2026年10月29日に、事業所の報酬の仕組み(令和6年度の報酬告示)、費用の負担割合(障害者総合支援法)、利用者負担の上限、国の経営調査の収支差率、一般就労への移行率(令和6年)を一次資料で確認し、内容を見直しました。

就労移行支援の「からくり」の正体は、事業所の収入のほとんどが、利用者が通った日ごとに公費から支払われる報酬だということです。報酬は市町村が支払い、国と都道府県もその一部を負担しています。

利用者の自己負担は所得に応じた月ごとの上限額までで(費用の1割のほうが少なければ1割)、生活保護世帯と市町村民税非課税世帯は0円です。また、1日あたりの報酬の単価は、その事業所から就職して6か月以上働き続けた人の割合(就労定着の実績)で7段階に分かれます。通所が続いても就職と定着につながらなければ、単価は下がる仕組みです。

この記事では、お金の流れと報酬の仕組みを厚生労働省の資料と法令で確かめたうえで、「やめとけ」と言われる理由、事業所の見分け方と選び方を順に説明します。

記事を読むのが面倒な方のために、AIキャスターによる「ポッドキャスト」を作りました。
読み間違いがありますが、ご容赦ください。

▼就労移行支援「やめとけ」は本当?裏のからくりと後悔しない事業所選び【徹底解説】

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就労移行支援に「からくり」「やめとけ」と言われる3つの理由

お金や事業所、人のアイコンが矢印で複雑につながる図を前に、首をかしげて考える男性

就労移行支援に「からくり」「やめとけ」といった言葉が結びつきやすい背景には、主に次の3つがあると考えられます。

理由1:お金の流れが見えにくいから
利用者の自己負担は0円か、所得に応じた月ごとの上限までに抑えられているのに、事業所はオフィスを構え、スタッフを雇って運営しています。「利用者がほとんど払っていないのに、どこから収入を得ているのか」が見えにくいことが、「何か裏があるのでは」という疑いにつながっています。実際には、事業所の収入の大部分は、法律にもとづいて公費から支払われる「訓練等給付費」です(次の章で詳しく説明します)。

理由2:事業所ごとの質の差が大きいから
事業所によって、支援の内容やスタッフの専門性、就職の実績には差があります。「就職の話が進まない」「自習ばかりだった」といった、合わなかった人の体験が「就労移行支援はやめとけ」という評判として広まりやすくなります。

理由3:制度上の制約(利用期間・利用中の収入など)
就労移行支援の利用期間は、法令で原則2年間と決まっています(障害者総合支援法施行規則第6条の8)。また、訓練には給料が出ないため、利用中の生活費をどうするかが課題になります。利用中のアルバイトの扱いは「就労移行支援は働きながら利用できる?」で解説しています。こうした制約が「生活が苦しくなる」「融通が利かない」と感じられ、利用をためらう理由になっています。

ここからは、まずお金の流れを一次資料で確かめ、そのうえで「やめとけ」と言われる具体的な理由を見ていきます。

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【図解】就労移行支援のからくりとは?事業所のお金の流れと報酬の仕組み

就労移行支援のお金の流れを示す図。政府から事業所へお金が支払われ、事業所が利用者にサービスを提供する

就労移行支援の「からくり」を理解するうえで大切なのは、お金の流れです。誰がいくら払い、事業所の報酬がどう決まるのかを知っておくと、事業所を見る目も変わります。

収入の大部分は公費から支払われる報酬

就労移行支援事業所の主な収入は、障害者総合支援法にもとづく「訓練等給付費」です。法律では、就労移行支援は訓練等給付費の対象サービスとされ、その費用は市町村が支払います。そのうち国が100分の50、都道府県が100分の25を負担すると定められています(負担の対象となる額は政令で計算します。障害者総合支援法(e-Gov法令検索)第28条・第92条・第94条・第95条)。

国の経営調査でも、就労移行支援事業所の収入のうち97.5%は「自立支援費等」による収益でした(令和6年度決算、令和7年障害福祉サービス等経営概況調査結果第12表)。

利用者の自己負担は、所得に応じて決まる月ごとの上限額までです。費用の1割のほうが上限額より少ない場合は1割になります(障害者総合支援法第29条第3項、厚生労働省「障害者の利用者負担」)。その月にどれだけ通っても、上限を超える負担はありません。

区分世帯の収入状況負担上限月額
生活保護生活保護を受けている世帯0円
低所得市町村民税が非課税の世帯0円
一般1市町村民税が課税の世帯(所得割16万円未満)9,300円
一般2上記以外37,200円

所得を判断する「世帯」は、18歳以上の人なら本人とその配偶者です。親と同居していても、親の収入は原則として含まれません。入所施設やグループホームを使っている人は区分の扱いが異なることがあるため、詳しくはお住まいの市区町村で確認してください。

報酬は「就職して6か月続いた人の割合」で決まる

就労移行支援の基本報酬は、利用者が1人1日通うごとに支払われます。その1日あたりの単価を決めるのが、事業所の「就労定着者の割合」です。前年度と前々年度に、その事業所を利用して就職し、6か月以上働き続けた人の数(就労継続支援A型事業所などへの移行は除きます)を、同じ2年間の利用定員の合計で割って計算します(令和6年度報酬改定の告示(令和6年こども家庭庁・厚生労働省告示第3号))。

令和6年度の報酬改定では、この割合によって基本報酬が7段階に分かれ、さらに利用定員の規模(20人以下から81人以上まで5区分)ごとに単位数が決められています。たとえば利用定員20人以下の事業所では、1日あたりの単位数は次のとおりです(令和6年度報酬改定の告示(令和6年こども家庭庁・厚生労働省告示第3号)、厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」)。令和8年度の報酬改定(令和8年こども家庭庁・厚生労働省告示第5号)の後も、この基本報酬は変わっていません(2026年10月時点)。

就労定着者の割合1日あたりの基本報酬(定員20人以下)
5割以上1,210単位
4割以上5割未満1,020単位
3割以上4割未満879単位
2割以上3割未満719単位
1割以上2割未満569単位
0割超1割未満519単位
0(定着した人がいない)479単位

2年とも利用定員が20人の事業所なら、前年度と前々年度の2年間で、就職して6か月以上働き続けた人が20人以上いると、最も高い区分になります。定着した人がいない場合の単位数は、最も高い区分の4割ほどです。単位数は、1単位10円を基本に、事業所がある地域の区分ごとに決められた割合を掛けた単価で金額に換算されます(平成18年厚生労働省告示第539号(一単位の単価))。

つまり、利用者に長く通ってもらうだけでは1日あたりの単価は上がりにくく、就職して働き続ける人を出すほど1日あたりの報酬が高くなる仕組みです。基本報酬のほかに、職員の配置や支援の内容に応じた加算があります。また、国の情報公表制度への報告をしていない事業所は報酬が減らされる仕組み(情報公表未報告減算)もあります。

事業所側の支出の内訳は?

一方で、事業所は収入を何に使っているのでしょうか。主な支出は以下の通りです。

  • 人件費:支援員や専門スタッフの給与。支出の中で最も大きな割合を占めます。
  • 地代家賃:事業所のオフィスや訓練スペースの賃料。
  • 水道光熱費・通信費:日々の運営に必要なインフラ費用。
  • 広告宣伝費:利用者を募集するためのウェブサイト運営費やパンフレット作成費。
  • プログラム開発・教材費:PC訓練用のソフトウェアや、ビジネスマナー研修などの教材費。

国の経営調査では、就労移行支援事業所の給与費は収入の64.2%でした(令和6年度決算、令和7年障害福祉サービス等経営概況調査結果)。事業所は報酬の中から、こうした人件費や家賃などの経費を支払って運営しています。

事業所は儲かっているのか|国の経営実態調査の数字

「給付金ビジネスは儲かる」というイメージを、国の調査の数字で確かめてみます。厚生労働省は、報酬改定の基礎資料として障害福祉サービス事業所の経営状況を調べています。就労移行支援の1事業所あたりの平均の収支差率(収入に対する、収入から支出を引いた額の割合)は次のとおりです。

決算年度収支差率調査
令和4年度7.9%令和5年障害福祉サービス等経営実態調査結果(集計対象388事業所)
令和5年度8.2%令和7年障害福祉サービス等経営概況調査結果(集計対象296事業所)
令和6年度6.0%令和7年障害福祉サービス等経営概況調査結果(集計対象296事業所)

数字は物価高騰対策などの補助金を含まない値で、補助金を含めると令和6年度は6.2%でした。平均で見ると、収入から支出を引いて残る額は、収入の1割に満たない水準です。ただし、これは回答した事業所の平均です。個々の事業所が儲かっているかどうかは、この数字からは分かりません。

報酬の仕組みから見える、事業所の見分け方

報酬の単価が就職と定着の実績で決まる以上、利用者にとって大切なのは「その事業所から就職した人が、働き続けられているか」です。見学のときは、次のような点を確かめてみましょう。

観点確かめたいこと気をつけたいサイン
就職と定着の実績就職者数だけでなく、就職して6か月後も働いている人の数や割合累計の就職者数しか言わない、定着の数字を聞いても答えがあいまい
就職までの道筋利用開始からどのくらいで就職活動に移るのか、その目安と計画何か月通っても就職活動の話が出てこない
支援の中身一人ひとりの目標に合わせた訓練や面談があるか自習や簡単な作業ばかりで、個別の相談の時間がない
就職後の支援就職後の相談や、就労定着支援への引き継ぎがあるか就職したら連絡が途切れる

訓練に給料が出ないのはなぜか

就労移行支援は、事業所と雇用契約を結んで働く場ではなく、就職に向けた訓練を受ける福祉サービスです。そのため、訓練に参加しても、給料(賃金)は出ません。法令でも、就労移行支援は「生産活動、職場体験その他の活動の機会の提供」を通じて訓練を行うサービスとされています(障害者総合支援法施行規則第6条の9)。

ただし、事業所の作業(生産活動)に取り組んだ場合は、その作業で得た収入から経費を引いた額を「工賃」として支払うことが、運営の基準で決められています(指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準第184条で準用する第85条)。金額は事業所によって違います。

一方、就労継続支援A型は、事業所と雇用契約を結んで働くサービスで、給料が支払われます(同基準第190条)。B型は雇用契約を結ばずに作業をして工賃を受け取るサービスです。違いは「就労継続支援A型とは」「就労継続支援B型とは」で解説しています。なお、2025年10月から始まった就労選択支援は、就労移行支援や就労継続支援を使う人・使おうとする人が対象のサービスです。B型を新しく使う人は原則として先に利用し、就労移行支援を新しく使う人は希望すれば利用できます(厚生労働省「就労選択支援 実施マニュアル」)。詳しくは「就労選択支援とは?」をご覧ください。

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就労移行支援が「やめとけ」「ひどい」と言われる具体的な理由

暗い部屋でパソコン画面を前に、頭を抱えて悩む男性

次に、「やめとけ」「ひどい」と言われる具体的な理由を見ていきます。事業所側に原因があるものと、制度の仕組みや利用者の状況によるものに分けて整理します。

事業所側の問題点

  • 就職を急かさず、通所期間を引き延ばそうとする
    「あなたのペースでいいですよ」と言われるだけで、具体的な就職活動の計画が立たないまま、利用期間の終わりが近づいてしまうケースです。体調を整える時間が必要な人もいるため、ペースを尊重すること自体は悪いことではありません。気になるときは、就職までの目安と計画を確認しましょう。
  • 訓練内容が画一的で、個別のサポートが手薄い
    「とりあえずPCの自習をしてください」といったように、一人ひとりの希望や特性に合わせたプログラムが用意されていないケースです。これでは、自分に必要なスキルを身につけにくくなります。
  • 支援員の専門性が低く、相談に乗ってくれない
    スタッフの入れ替わりが激しかったり、障害や就職に関する知識が乏しかったりする事業所も存在します。悩みを相談しても的確なアドバイスがもらえず、孤独を感じてしまうことがあります。
  • 強引な勧誘や見学後のしつこい連絡
    見学に行っただけなのに、何度も電話がかかってきたり、その場で決めるよう迫られたりするケースです。比べて選ぶ時間をくれない事業所は、慎重に考えたほうがよいでしょう。

制度・利用者側の問題点

  • 原則2年という利用期間のプレッシャー
    利用期間が限られているため、「2年以内に就職しなければ」という焦りがプレッシャーになることがあります。必要性が認められれば最大1年間の更新ができますが、市町村審査会の個別審査を経る必要があり、原則1回です(厚生労働省通知「介護給付費等の支給決定等について」)。じっくり体調を整えたい人には、短く感じられるかもしれません。
  • 利用中の収入確保が難しい
    就労移行支援の訓練には給料が出ません。利用中にアルバイトができるかどうかは、事前に市区町村と事業所に確認が必要です。貯金や家族の支援、使える手当などで生活費をまかなうことになり、お金の不安から利用をためらう人もいます。
  • 必ず就職できる保証はないという現実
    就労移行支援は就職を支援するサービスで、就職を保証するものではありません。厚生労働省の資料(社会福祉施設等調査)によると、就労移行支援の利用を終えた人のうち一般就労へ移った人の割合は、令和6年で60.2%(前年は58.8%)でした(厚生労働省「障害保健福祉制度をめぐる状況について」(社会保障審議会障害者部会 第155回、2026年4月)。各年の数字は前年1年間の実績)。裏を返すと、利用を終えた人の約4割は一般就労以外の形で利用を終えています。この点を知らずに通い始めると、「利用したのに就職できなかった」という不満につながりやすくなります。
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悪質な就労移行支援事業所を避ける5つのチェックポイント

就職率・支援スタッフ・プログラム内容などの項目が並ぶチェックリストを、虫眼鏡で確かめる手元

では、どうすれば合わない事業所を避け、自分に合った場所を見つけられるのでしょうか。見学や体験利用のときに確かめたい5つのポイントを紹介します。

チェック1:就職の数字は「定着」まで確認する
「就職率90%」といった数字は、何を分母にしているかで意味が変わります。確かめたいのは、就職して6か月後に何人が働き続けているかです。先に説明したとおり、この定着の実績は事業所の報酬の区分にも使われています。就職者数とあわせて、定着の人数や割合も教えてもらいましょう。

チェック2:プログラム内容が具体的か(「PC訓練」だけでなく内容まで確認)
「PC訓練」と一口に言っても、Word/Excelの基礎を学ぶのか、Webデザインのような専門スキルを学ぶのかで内容は大きく異なります。パンフレットに書かれている内容だけでなく、「具体的にどのようなスキルが、どのくらいの期間で身につくのか」を詳しく質問しましょう。

チェック3:支援員の専門性や雰囲気(質問への対応や表情を観察)
支援員は、あなたの就職活動を支える最も重要なパートナーです。質問に対して、専門用語を使わずに分かりやすく答えてくれるか、親身になって話を聞いてくれるかなど、人柄や相性も確認しましょう。スタッフ同士が和やかに話しているかなど、事業所全体の雰囲気も大切な判断材料です。

チェック4:利用者層が自分に合っているか(年齢層や障害特性)
他の利用者は、共に訓練に励む仲間になります。自分と同じくらいの年齢層の人が多いか、目指している職種や障害特性が近い人がいるかなども確認すると、通所後のイメージが湧きやすくなります。

チェック5:見学・体験時の対応(デメリットも正直に話してくれるか)
良いことばかりを話す事業所には注意が必要です。信頼できる事業所は、「利用中の生活費はどうしていますか?」といった踏み込んだ質問にも、制度上の制約や現実を正直に伝えてくれます。

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自分に合った就労移行支援事業所の選び方【4ステップ】

目標設定・情報収集・見学・相談の4ステップを描いた道のりの図を、赤ペンを手に示す女性

チェックポイントを押さえたら、次は自分に合った事業所を選ぶための行動に移りましょう。次の4つのステップで進めるのがおすすめです。

STEP1:まずは自分の「目的」を明確にする

「なぜ就労移行支援を利用したいのか?」を自分の中で整理しましょう。目的が明確であればあるほど、事業所選びの軸が定まります。

  • 例1:パソコン作業が苦手なので、WordやExcelの基礎を学んで事務職に就きたい。
  • 例2:対人関係が苦手なので、コミュニケーション訓練を受けて、軽作業の仕事から始めたい。
  • 例3:生活リズムが乱れているので、まずは毎日通所することを目標に体調を整えたい。

STEP2:複数の事業所をリストアップして比較検討する

一つの事業所だけを見て決めるのは危険です。インターネットで自宅から通える範囲の事業所を最低3〜4つ探し、それぞれの特徴を比較しましょう。

お住まいの地域にどんな事業所があるかは、独立行政法人福祉医療機構の「障害福祉サービス等情報検索(WAM NET)」で公的情報として一覧できます。

事業所タイプ特徴代表例
大手事業所多くの都道府県に事業所を展開している。LITALICOワークス, ココルポート
地域密着型地元企業とのつながりがあり、アットホームな雰囲気のところもある。各地域のNPO法人や社会福祉法人が運営
特化型事業所IT/Web系、データサイエンス、プログラミングなど専門スキルの習得に特化したところや、障害別のコースを設けたところがある。Neuro Dive(先端IT)、atGPジョブトレ(障害別のコース)

STEP3:見学・体験で「生の情報」を得る

Webサイトの情報だけでは分からない実際の雰囲気を知るために、見学や体験利用をしておきましょう。前の章の「5つのチェックポイント」を参考に、自分の目で確かめてください。見学のときに確かめたい項目を下にまとめました。

【事業所見学のときのチェックリスト】

□ 就職実績について

  • [ ] 就職者数だけでなく、就職して6か月後も働いている人の数や割合を教えてもらえるか?
  • [ ] どのような職種・業種の企業への就職が多いか?

□ プログラムについて

  • [ ] 自分の目的に合ったプログラムはあるか?(具体的内容を確認)
  • [ ] 1日のスケジュールはどのようになっているか?

□ スタッフについて

  • [ ] 質問に対して、分かりやすく丁寧に答えてくれるか?
  • [ ] スタッフの専門性(保有資格など)はどうか?
  • [ ] スタッフ同士の雰囲気は良いか?

□ 環境・利用者について

  • [ ] 事業所は清潔で、集中できる環境か?
  • [ ] 利用者の年齢層や雰囲気が自分に合いそうか?

□ その他

  • [ ] メリットだけでなく、デメリットも正直に説明してくれるか?
  • [ ] 無理な勧誘はないか?

STEP4:市区町村の障害福祉窓口や相談支援事業所に相談する

自分一人で決めるのが不安な場合は、相談先を頼りましょう。お住まいの市区町村の障害福祉の窓口や相談支援事業所で、事業所選びや利用の手続きについて相談できます。

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就労移行支援の「からくり」に関するよくある質問(Q&A)

「Q&A」の見出しと、疑問符や回答を表す吹き出しが並んだ図

最後に、就労移行支援の「からくり」に関して、多くの方が疑問に思う点をQ&A形式でまとめました。

Q
利用料金は本当にほとんどかからないの?
A

世帯の所得で決まります。自己負担は所得に応じた月ごとの上限額まで(費用の1割のほうが少なければ1割)で、生活保護世帯と市町村民税非課税世帯は0円です。市町村民税課税世帯は、所得割16万円未満なら月9,300円(入所施設〈20歳以上〉・グループホーム利用者は除く)、それ以上なら月37,200円が上限で、それを超える負担はありません(障害者総合支援法第29条第3項、厚生労働省「障害者の利用者負担」)。

Q
事業所は、利用者が長く通うほど儲かるの?
A

報酬は利用者が通った日ごとに支払われますが、1日あたりの単価は、就職して6か月以上働き続けた人の割合で7段階に決まります。定着した人がいない事業所の単価は、最も高い区分の4割ほどです(定員20人以下の場合。令和6年度報酬改定の告示(令和6年こども家庭庁・厚生労働省告示第3号))。長く通ってもらうだけでは、1日あたりの単価は上がりにくい仕組みになっています。

Q
2年以内に就職できなかったらどうなるの?
A

原則として利用は終了します。標準の2年を超えて利用が必要な場合は、市町村審査会の個別審査で必要性が認められたときに限り、最大1年間の更新ができます(原則1回。厚生労働省通知「介護給付費等の支給決定等について」)。利用を終えたあとも、ハローワークの専門窓口や地域障害者職業センターなど、ほかの支援機関を使って就職活動を続けられます。

Q
アルバイトをしながら通うことはできる?
A

利用中にアルバイトができるかどうかは、申請の前に市区町村の窓口と事業所に確認してください。なお、すでに企業で働いている人が、新たに雇われたあとに働く時間を延ばしたいときや、休職から復職するときには、一時的に就労移行支援を利用できることが法令で定められています(障害者総合支援法施行規則第6条の7の5・第6条の9)。詳しくは「就労移行支援は働きながら利用できる?」で解説しています。

Q
事業所が合わなかった場合、途中で変更できる?
A

はい、変更できます。利用を始めたあとでも、「どうしても雰囲気が合わない」「プログラムの内容が思っていたのと違う」と感じたときは、ほかの事業所に移ることを相談できます。移ったあとの残りの利用期間がどうなるかは、移る前に市区町村の窓口で確認しておきましょう。

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▼からくりを理解したうえで利用を検討する方は、こちらの記事も参考にしてください。

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まとめ:お金の流れを知って、自分の目で事業所を選ぶ

就労移行支援の「からくり」と言われるお金の流れと、「やめとけ」と言われる背景を説明してきました。要点は次のとおりです。

  • 事業所の収入のほとんどは、利用者が通った日ごとに公費から支払われる報酬(訓練等給付費)
  • 利用者の自己負担は所得に応じた月ごとの上限額まで(費用の1割のほうが少なければ1割。生活保護・非課税世帯は0円)
  • 1日あたりの報酬の単価は、就職して6か月以上働き続けた人の割合で7段階に決まる
  • 国の調査では、就労移行支援の平均の収支差率は6.0%(令和6年度決算)
  • 見学では、就職者数だけでなく定着の実績と、就職までの計画を確かめる

公費で運営されていること自体は「悪いからくり」ではありません。公費で運営されているからこそ、所得に応じた少ない負担で支援を受けられます。大切なのは、事業所ごとの違いを自分の目で確かめることです。

この記事で紹介したチェックポイントや選び方を参考に、複数の事業所を見学して、自分に合う場所を探してみてください。

【重要な注意事項】

  • 就労移行支援の運用は自治体によって異なる場合があります。詳細については、お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口にご確認ください。
  • 制度や運用状況は変更される可能性があります。最新情報は厚生労働省や各自治体の公式サイトでご確認ください。
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【免責事項】
本記事に掲載されている情報は、2026年10月時点のものです。制度やサービス内容は変更される可能性がありますので、最新の情報や詳細については、お住まいの自治体や各事業所の公式サイトを必ずご確認ください。 

記事監修: 平川病院 産業医・発達障害専門医

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