「働きたい気持ちはあるけれど、通勤や通所に不安がある」
「人混みや対人関係のストレスが大きく、外出そのものがハードルになっている」ーーそんな悩みを抱える方にとって、在宅・リモートで利用できる就労支援サービスは、就職への大きな一歩を踏み出すための選択肢です。
新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、就労系障害福祉サービスにおける在宅支援は大きく制度が整備されました。2021年4月からは、感染症対策としての一時的措置ではなく常時の制度として在宅利用が正式に認められ、通所が困難でなくても本人の希望に基づいて在宅での訓練を受けられるようになっています。
さらに、2024年6月時点で民間企業に雇用されている障害者数は67万7,461.5人と21年連続で過去最高を更新し(厚生労働省「令和6年 障害者雇用状況の集計結果」)、障害者のテレワーク実施率は約30%と全労働者平均の24.6%を上回るなど(パーソルダイバース「はたらく障害者の就業実態・意識調査2025」)、在宅で働く障害者の環境は着実に広がっています。
本記事では、こうした追い風の中で在宅・リモートの就労支援をどのように活用すれば良いか、制度の基礎知識から実践的な活用法まで網羅的に解説していきます。
この記事でわかること
就労移行支援・就労継続支援(A型・B型)の在宅利用の仕組み、対象者の条件、利用開始までの具体的な手順、おすすめ事業所の選び方、そして在宅訓練から在宅就職を実現するまでのロードマップを、2025年最新の制度情報と統計データに基づいて解説します。
▼記事を読むのが面倒な人のためにAI解説動画を作りました。読み間違いはご容赦くださいませ。
▼この記事のポイントをまとめたインフォグラフィック(クリックすると拡大します)

在宅で利用できる就労支援サービスとは?3つの制度を比較

在宅で利用できる就労系障害福祉サービスは、主に以下の3種類があります。それぞれの特徴と在宅利用の可否を正しく理解することが、自分に合ったサービス選びの第一歩です。
就労移行支援
就労移行支援は、一般企業への就職を目指す障害のある方を対象に、就労に必要な知識やスキルを習得するための訓練プログラムを提供するサービスです。利用期間は原則2年間で、18歳以上65歳未満の方が対象となります。
在宅訓練では、ビジネスマナー、PCスキル(データ入力・伝票作成・Excel/Word操作など)、オンラインコミュニケーション(Zoom・Slack・チャットツールの使い方)といったリモートワークに直結するスキルを自宅で学べます。さらに、履歴書添削や模擬面接、企業実習のサポートもオンラインで受けられる事業所が増えています。
就労継続支援A型
就労継続支援A型は、事業所と雇用契約を結んで働く形態のサービスです。最低賃金以上の給与が保障され、一般企業への就職を目指しながら就労経験を積むことができます。在宅でのサービス利用も制度上認められており、データ入力やWeb制作、軽作業の内職といった業務を自宅で行う事業所もあります。
就労継続支援B型
就労継続支援B型は、雇用契約を結ばず、自分のペースで作業に取り組めるサービスです。体調に波がある方や、長時間の勤務が難しい方にも利用しやすい設計になっています。工賃(作業報酬)が支払われ、在宅利用の場合はPC作業やハンドメイド制作、封入作業などの軽作業を自宅で行うケースが一般的です。
3つのサービスの在宅利用 比較表
| 項目 | 就労移行支援 | 就労継続支援A型 | 就労継続支援B型 |
|---|---|---|---|
| 目的 | 一般企業への就職 | 雇用契約に基づく就労 | 自分のペースでの作業 |
| 利用期間 | 原則2年 | 制限なし | 制限なし |
| 雇用契約 | なし | あり(最低賃金保障) | なし |
| 収入の目安 | 交通費支給の事業所あり | 月額約8万~12万円 | 工賃 月額約1.6万円(全国平均) |
| 在宅利用 | 可能 | 可能 | 可能 |
| 在宅訓練の主な内容 | PC訓練・ビジネスマナー・就活支援 | データ入力・Web制作・事務作業 | 軽作業・内職・PC作業 |
| 対象年齢 | 原則18~65歳未満 | 原則18~65歳未満 | 年齢制限なし |
※2025年2月時点の情報です。工賃・賃金は事業所により大きく異なります。
在宅利用の対象者と利用条件|「通所できない人」だけではない

在宅での就労支援利用は、かつては「通所が困難な方」に限定されていました。しかし、2021年4月の制度改正以降、対象者の範囲は大きく広がりました。
在宅利用が認められる方の条件
現在の制度では、以下の条件を満たす方が在宅でのサービス利用の対象となります。
基本的な対象者として、身体障害・知的障害・精神障害・発達障害・難病のいずれかがある方で、就労移行支援または就労継続支援の対象となる方が挙げられます。障害者手帳を持っていない場合でも、医師の診断書等があれば利用できるケースがあるため、まずは事業所や自治体の窓口に相談してみることをおすすめします。
在宅利用が特に適しているケースとしては、次のような方が該当します。精神障害や発達障害の特性により人混みや公共交通機関の利用が困難な方、重度の身体障害により外出そのものに大きな負担がある方、感覚過敏(音・光・匂いなど)により通所環境が大きなストレスとなる方、対人関係に強い不安を感じる方、体調に波があり毎日の通所が安定しない方などです。
制度改正のポイント:「通所困難」要件の撤廃
2021年の改正で重要なのは、「通所に困難が伴わない場合でも、本人が在宅でのサービス利用を希望すれば利用可能」になった点です(厚生労働省「就労移行支援事業、就労継続支援事業(A型、B型)における留意事項について」令和3年3月30日改正)。
つまり、物理的に通所できるかどうかだけでなく、在宅のほうがより効果的に訓練を受けられると市町村が判断すれば、在宅利用が認められます。ただし、最終的な判断はお住まいの市区町村が行うため、自治体によって運用に差がある点は留意が必要です。
在宅利用の前提となる6つの要件
厚生労働省のガイドラインでは、事業所が在宅サービスを提供するために以下の要件をすべて満たすことが求められています(就労系障害福祉サービスにおける在宅でのサービス利用にかかるガイドライン)。
| No. | 要件 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 支援効果の見込み | 在宅でのサービス利用による支援効果が認められると市町村が判断 |
| 2 | 運営規程への明記 | 在宅で実施する訓練内容を事業所の運営規程に明記 |
| 3 | 訓練メニューの確保 | 在宅利用者向けの作業活動・訓練メニューが常に確保されている |
| 4 | 1日2回以上の連絡 | 連絡・助言・進捗確認等の支援を1日2回以上実施し、日報を作成 |
| 5 | 月1回の対面評価 | 原則月1回、通所または職員の訪問により目標達成度の評価を実施 |
| 6 | 個別支援計画への反映 | 在宅利用に関する支援目標・内容を個別支援計画に位置づけ |
これらは利用者が知っておくべき要件でもあります。事業所選びの際に「これらの要件を満たしているか」を確認することで、質の高い在宅支援を受けられる事業所を見極めることができます。
在宅の就労支援を利用するメリットと注意点

在宅での就労支援利用には多くのメリットがある一方で、事前に理解しておくべき注意点もあります。
在宅利用のメリット
通勤ストレスの完全解消は、在宅利用の最大のメリットです。満員電車での移動や人混みの中での通勤は、精神障害や発達障害のある方にとって就労以前の大きなハードルになりがちです。在宅利用ではそのストレスが一切なくなるため、訓練そのものに集中できる環境が手に入ります。
リモートワークスキルの実践的な習得も大きな利点です。在宅訓練では、Zoom等のビデオ会議ツール、SlackやChatworkといったチャットツール、クラウドでのファイル共有など、実際のリモートワークで使われるツールを訓練の中で日常的に使用します。つまり、訓練そのものがテレワークの実地練習になっているのです。
体調に合わせた柔軟な訓練が可能な点も見逃せません。通所型では「事業所にたどり着く」こと自体がハードルになる日でも、在宅であれば体調の波に合わせて無理のないペースで訓練を続けられます。これは、就労に向けた継続的なステップアップにおいて非常に重要です。
在宅利用の注意点
一方で、自己管理能力が求められる点は在宅利用ならではの課題です。自宅という環境では、生活と訓練の境界が曖昧になりやすく、規則正しい生活リズムの維持や、訓練時間中の集中力の確保が求められます。事業所からの1日2回の連絡が生活リズムのペースメーカーになりますが、最終的には自分自身の意識が重要です。
対面でのコミュニケーション機会が減る点も考慮が必要です。在宅勤務を前提とした就職を目指す場合はさほど問題になりませんが、将来的に通勤型の就労も視野に入れている方は、月1回の通所日や事業所のイベントを活用して対面でのコミュニケーション力も維持しておくことが大切です。
利用可能なエリアに制限があることも知っておきましょう。フルリモートの事業所であっても、月1回の対面評価(通所または訪問)が必要なため、事業所の職員が訪問できる範囲内に住んでいることが条件になります。自治体によってはZoom等での代替が認められるケースもあるため、事業所と自治体に確認してみてください。
在宅対応の就労支援事業所の選び方|チェックすべき7つのポイント

在宅対応の就労支援事業所は増加傾向にありますが、事業所によってサービスの質や対応範囲は大きく異なります。以下の7つのポイントを基準に比較検討することをおすすめします。
チェックポイント一覧
| チェック項目 | 確認内容 | なぜ重要か |
|---|---|---|
| ① 在宅訓練の実績 | 在宅利用者の人数、在宅支援の開始時期 | コロナ前から実績のある事業所はノウハウが豊富 |
| ② 就職率・定着率 | 在宅利用者の就職率と就職後6ヶ月・1年の定着率 | 訓練の質を客観的に測る指標になる |
| ③ 在宅就職の実績 | 在宅勤務(テレワーク)での就職がどの程度あるか | 在宅就労を目指すなら在宅就職の実績が重要 |
| ④ 訓練プログラムの内容 | PCスキル、ビジネスマナー、自己管理、就活支援の充実度 | 自分のスキルレベルと目標に合ったプログラムがあるか |
| ⑤ 機材・通信環境の貸与 | PC・Wi-Fiルーターの無料貸出の有無 | 自前で機材を用意する必要がなくなる |
| ⑥ コミュニケーション体制 | 連絡手段(電話・メール・LINE・Zoom・Slack等)、相談のしやすさ | 孤立感を防ぎ、困ったときにすぐ相談できるか |
| ⑦ 月1回の対面対応 | 通所が必要か、職員が訪問してくれるか | 通所が難しい場合、訪問対応の可否が利用継続の鍵 |
事業所選びの実践的アドバイス
事業所を選ぶ際は、必ず複数の事業所に問い合わせ・見学(オンライン可の場合も)を行いましょう。多くの事業所が無料相談や体験利用を受け付けているため、実際の雰囲気やスタッフとの相性を確かめてから判断することが大切です。
また、お住まいの自治体の障害福祉課にも相談してみてください。地域内で在宅対応している事業所の情報を教えてもらえるほか、在宅利用の申請手続きについても案内を受けられます。福岡県のように、在宅対応の就労支援事業所一覧を公式サイトで公開している自治体もあります(福岡県「在宅でサービス利用が可能な就労支援事業所一覧」)。
在宅就労支援の利用開始から就職までのロードマップ

在宅での就労支援利用を決めてから実際に就職するまでの一般的な流れを、ステップごとに解説します。
STEP 1:情報収集・事業所への問い合わせ(目安:1~2週間)
まずは在宅訓練に対応している就労支援事業所を探し、問い合わせます。事業所のホームページから資料請求やオンライン相談を申し込めるところがほとんどです。この段階では、現在の状況(障害の種類・体調・希望する働き方など)を簡単に伝え、在宅利用が可能かどうかを確認します。
STEP 2:見学・体験利用(目安:1~2週間)
興味のある事業所を見学し、可能であれば体験利用を行います。在宅訓練に対応している事業所であれば、オンラインでの見学会や体験を実施しているケースも多くあります。スタッフとの相性や訓練プログラムの内容を実際に体験し、「ここで頑張れそうか」を判断しましょう。
STEP 3:自治体への申請手続き(目安:2~4週間)
利用する事業所が決まったら、お住まいの市区町村の障害福祉窓口でサービスの利用申請を行います。在宅利用の場合は、通常の支給決定に加えて在宅利用に関する届出書や個別支援計画案の提出が必要になります。手続きの多くは事業所のスタッフがサポートしてくれるため、書類作成に不安がある方も安心です。
| 申請に必要なもの | 備考 |
|---|---|
| 障害者手帳または医師の診断書 | 手帳がなくても利用可能な場合あり |
| サービス利用申請書 | 市区町村の窓口で入手 |
| 在宅利用に関する届出書 | 事業所と連携して作成 |
| 個別支援計画案 | 事業所が作成(在宅支援の目標を明記) |
| 受給者証(更新の場合) | 既に受給者証をお持ちの場合 |
STEP 4:在宅訓練の開始(就労移行支援の場合:最長2年間)
市区町村の承認が下りたら、在宅訓練がスタートします。一般的な1日のスケジュール例は次の通りです。
| 時間帯 | 内容 |
|---|---|
| 9:00 | 朝の連絡(体調報告・本日の目標共有) |
| 9:15~12:00 | 午前の訓練(PCスキル・eラーニング等) |
| 12:00~13:00 | 昼休憩 |
| 13:00~15:30 | 午後の訓練(グループワーク・個別課題等) |
| 15:30 | 夕方の連絡(日報提出・振り返り) |
事業所によって訓練の開始時間やプログラム内容は異なりますが、1日2回以上の連絡は制度上の必須要件です。
STEP 5:就職活動(在宅訓練と並行)
訓練が進み、就職の準備が整ってきたら就職活動に入ります。在宅訓練中でも利用できる就職活動の支援としては、自己分析・自己PR作成、障害特性を踏まえた職種・業界研究、履歴書・職務経歴書の添削、オンライン模擬面接、ハローワーク・障害者就職エージェントとの連携、企業見学・実習(オンライン対応の場合あり)などがあります。
在宅就労を希望する場合は、テレワーク対応の障害者求人に特化したエージェントや求人サイトを活用すると効率的です。
STEP 6:就職・定着支援(就職後最長3年間)
就職が決まった後も、就労移行支援事業所から就労定着支援を受けることができます。定着支援では、月に1回以上の面談や、職場との間に入った環境調整のサポートを受けられます。在宅勤務で就職した場合は、オンラインでの定着支援も一般的です。
障害の種類別:在宅就労で知っておきたいポイント

障害の種類によって、在宅就労・在宅訓練で留意すべきポイントは異なります。以下に、主な障害種別ごとの特徴と対策をまとめます。
精神障害(うつ病・双極性障害・統合失調症等)
精神障害のある方にとって、在宅就労は通勤のストレスを軽減し、体調に合わせた柔軟な働き方が可能になるという大きなメリットがあります。2024年の障害者雇用状況調査では、精神障害者の雇用数は15万717人と前年比15.7%増で、3障害の中で最も伸び率が大きくなっています。
一方で、在宅環境では生活リズムが乱れやすく、孤立感を感じやすい傾向もあります。起床・就寝時間の固定、定時の連絡を生活リズムのアンカーにする、体調の波を記録して支援者と共有するといった工夫が有効です。
発達障害(ASD・ADHD等)
発達障害のある方の中には、感覚過敏(オフィスの雑音・照明・匂いなど)により通所環境が大きなストレスとなるケースがあります。在宅環境であれば自分にとって快適な作業環境を整えられるため、集中力やパフォーマンスが向上する方が少なくありません。
ただし、ADHDの特性がある方は在宅での時間管理や優先順位づけに課題を感じることがあります。タイマーの活用、タスクの細分化、作業環境と休息環境の物理的な分離などの対策を、訓練の中で身につけていくことが大切です。
身体障害
身体障害のある方にとって、在宅就労は通勤の身体的負担を大幅に軽減できる働き方です。車椅子利用者や移動に介助が必要な方でも、在宅であれば自分の体に合わせた環境で仕事ができます。
在宅訓練・在宅就労では、入力デバイスの選択(音声入力・特殊キーボード・視線入力等)や作業環境のバリアフリー化が重要です。事業所によっては、こうした支援技術(AT: Assistive Technology)の選定や導入のサポートも行っています。
知的障害
知的障害のある方の在宅利用は、他の障害種別と比較するとまだ事例が少ない状況ですが、サポート体制が充実した事業所では在宅での就労継続支援B型の利用実績があります。画面共有を使った手順のリアルタイム指導や、わかりやすいマニュアルの整備など、視覚的なサポートが効果的です。
2025年以降の制度動向:法定雇用率引き上げと在宅就労の追い風

障害者の在宅就労を取り巻く環境は、制度面でも大きな変化が進んでいます。これから就労支援を利用する方にとって、こうした制度の動きを知っておくことは、将来のキャリア設計に役立ちます。
法定雇用率の段階的引き上げ
民間企業に対する障害者の法定雇用率は、段階的に引き上げられることが決まっています。
| 時期 | 法定雇用率 | 雇用義務の対象 |
|---|---|---|
| 2024年3月まで | 2.3% | 従業員43.5人以上 |
| 2024年4月~ | 2.5% | 従業員40人以上 |
| 2026年7月? | 2.7% | 従業員37.5人以上 |
出典:厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について」
法定雇用率の引き上げに伴い、企業側の障害者採用ニーズは拡大しています。特に、テレワーク可能な職種での障害者採用は、企業にとっても全国から人材を確保できるメリットがあるため、在宅勤務可能な障害者求人は今後さらに増加することが見込まれます。
短時間労働者のカウント方法の変更
2024年4月からは、週10時間以上20時間未満で働く精神障害者・重度身体障害者・重度知的障害者も、1人あたり0.5カウントとして雇用率に算定できるようになりました。これにより、長時間勤務が難しい方にも企業が採用しやすくなり、短時間×在宅という組み合わせでの就労機会が広がることが期待されます。
在宅勤務者も雇用率にカウント可能
在宅勤務(テレワーク)で働く障害者も、週所定労働時間等の条件を満たせば障害者雇用率に算定されます。企業にとっては「テレワークで雇用した障害者も法定雇用率の達成に貢献する」ため、障害者のテレワーク採用に前向きに取り組む企業が増えている背景の一つです。
よくある質問(FAQ)

- Q在宅の就労支援は本当に無料で利用できますか?
- A
就労移行支援・就労継続支援は障害者総合支援法に基づく福祉サービスのため、多くの方が自己負担なし(無料)で利用できます。利用者負担は世帯の所得に応じて上限額が設定されており、市町村民税非課税世帯(収入が概ね300万円以下の世帯)は自己負担0円です。市町村民税課税世帯でも、月額上限は9,300円~37,200円に設定されています。
- Q障害者手帳がなくても在宅の就労支援を受けられますか?
- A
障害者手帳を持っていなくても、医師の診断書や意見書があれば利用できるケースがあります。自治体の判断によりますが、精神障害や発達障害、難病などで手帳を取得していない方でも、サービスの対象と認められる場合があります。まずはお住まいの市区町村の障害福祉課、または利用を検討している事業所に相談してみてください。
- Q在宅訓練では本当に就職できるのですか?
- A
在宅訓練に特化した事業所の中には、卒業者就職率80%以上、在宅希望者の6~7割が在宅勤務での就職を実現しているところもあります。ただし、事業所によって実績は大きく異なるため、見学・相談の際に具体的な就職率・定着率のデータを確認することが重要です。
- Q在宅訓練中にパソコンやネット環境がない場合はどうすればいいですか?
- A
多くの在宅対応事業所では、ノートパソコンやWi-Fiルーターの無料貸出を行っています。自宅にネット環境がない方でも在宅訓練を始められる体制が整っている事業所を選ぶと安心です。貸出の有無は事業所ごとに異なるため、問い合わせ時に確認しましょう。
- Q在宅の就労支援は「甘え」ではないですか?
- A
在宅での就労支援利用は、厚生労働省のガイドラインに基づく正式な福祉サービスの利用形態です。「在宅=楽をしている」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、実際には在宅訓練では自己管理能力やリモートコミュニケーション力など、通所以上に高いスキルが求められる場面もあります。自分の障害特性に合った方法で就職を目指すことは、むしろ合理的な判断です。
- Q完全在宅(フルリモート)で一度も通所しなくても利用できますか?
- A
制度上、月に1回は対面での評価が求められています。これは利用者が事業所に通所するか、事業所の職員が自宅を訪問するかのいずれかで行われます。ただし、自治体によっては公共交通機関が限られる地域など特別な事情がある場合に、オンラインでの代替を認めるケースもあります。完全に一度も外出できない場合でも、まずは事業所と自治体に相談してみましょう。
- Q地方在住でも在宅の就労支援は利用できますか?
- A
利用できます。ただし、月1回の対面評価のために職員が訪問できる範囲、または利用者が通所できる範囲の事業所を選ぶ必要があります。事業所によっては全国対応を掲げているところもありますが、実際の訪問対応範囲は事業所ごとに異なります。問い合わせ時にお住まいの地域を伝えて確認してください。
まとめ:在宅・リモートの就労支援で、自分らしい働き方への一歩を

在宅・リモートで利用できる就労支援サービスは、2021年の制度改正以降、対象者の幅も事業所の数も大きく広がっています。2024年からの法定雇用率引き上げにより企業の障害者採用ニーズは高まり、テレワークでの採用枠も増加傾向にあります。
「通所が難しいから働けない」と諦める必要はありません。在宅での就労支援は、あなたの障害特性や生活環境に合わせた形で就職を目指すための、制度に裏打ちされた正当な選択肢です。
まずは気になる事業所に問い合わせてみること、そしてお住まいの自治体の障害福祉窓口に相談してみることから始めてみてください。一人で悩まず、専門のスタッフと一緒に「自分らしい働き方」を見つけていきましょう。
※本記事の情報は2026年2月時点のものです。制度の詳細や最新情報については、お住まいの市区町村の障害福祉課または各事業所に直接ご確認ください。






