「退職代行を使って、もし会社から訴えられたらどうしよう……」
「『急に辞めるなら損害賠償を請求するぞ』と上司に脅された」
退職代行を検討する際、誰もが一度は抱くのが「裁判沙汰」への恐怖です。
ネット上の噂や、会社からの脅し文句に震えて、あと一歩が踏み出せない方も多いでしょう。
結論から言います。
退職代行を利用しただけで、あなたが実際に訴えられるケースは「極めて稀」です。
なぜなら、会社にとって「辞めた社員を訴えること」は、時間もお金も無駄になる「コスパ最悪の行為」だからです。
法的には会社に訴訟を起こす権利がありますが、経済的メリットが小さいため、実際には訴訟に至るケースはほとんど発生しません。
しかし、ごく稀に「本当に訴えられるケース」も存在します。
この記事では、なぜ会社は訴えてこないのかという「大人の事情」と、絶対にやってはいけない「訴訟リスクが高まる3つのNG行動」を解説します。
▼記事を読むのが面倒な人のためにAI解説動画を作りました。読み間違いはご容赦くださいませ。
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なぜ「損害賠償請求するぞ」はただの脅しなのか?

上司が口にする「損害賠償」という言葉の大半は、あなたを足止めするための「ハッタリ」です。
会社が実際に裁判を起こさない(起こせない)のには、明確な理由があります。
理由1:裁判費用の方が高くつく(赤字になる)
弁護士に依頼して裁判を起こす場合、着手金は事案の規模により20万円~50万円程度かかり、成功報酬も必要です。小規模な事案でも着手金は22万円程度が最低ラインとなり、複雑な訴訟では30万円~50万円程度が相場となります。
一方で、一社員が急に辞めたことによる「損害」を法的に証明するのは極めて難しく、認められたとしても一般的には数十万円~200万円程度が相場です。ただし、極めて悪質なケース(業務引継ぎなしの失踪、大規模失注など)では480万円が認められた判例も存在します。
参考判例: 厚生労働省「辞職に関する裁判例」
つまり、通常のケースでは会社は訴えれば訴えるほど赤字になるのです。営利企業である以上、感情だけでそんな無駄なことはしません。
理由2:労働者には「辞める自由」がある
日本国憲法(第22条:職業選択の自由)と民法(第627条)により、労働者には強力な「退職の権利」が保障されています。
法的根拠
「人手不足なのに辞めた」「引き継ぎが不十分」といった理由は、会社の経営責任であり、労働者が賠償責任を負うものではないというのが司法の常識です。
注意!本当に訴えられる可能性がある「3つのNG行動」

「退職代行を使ったこと」自体で訴えられることはありません。
しかし、辞める前後の「あなたの行動」に問題がある場合は話が別です。以下の3つに心当たりがある場合は、退職代行を使う前に必ず弁護士へ相談してください。
NG行動1:会社のお金や備品を持ち逃げした
当たり前ですが、会社のPC、スマホ、制服、顧客リストなどを返却せずに辞めると横領に該当する可能性があります。
退職代行を使う際は、必ず郵送で全て返却しましょう。
法的根拠: 刑法第252条(横領罪) – 会社の財産を不法に領得した場合
NG行動2:顧客の引き抜き・競合への不正な転職
「会社の重要顧客をリストごと持ち出して、ライバル企業に転職した」といった背信行為は、明確な損害が発生するため、数百万単位の賠償請求が認められるケースがあります。
法的根拠: 不正競争防止法 – 営業秘密の不正使用・開示
NG行動3:無断欠勤を続けた末の「バックレ」
退職代行を使わずに長期間無断欠勤を続け、連絡を無視して音信不通になる(いわゆるバックレ)と、会社側の怒りが頂点に達します。
退職代行は、このバックレを回避し、法的に正しい手順で辞めるためのサービスでもあります。
実際の判例:
引継ぎなしで失踪した事例では、知財高裁平成29年9月13日判決で480万円の損害賠償が認められた判例があります。この判例では、パチスロソフトウェア開発業の従業員が無断失踪し、外注費40万円、その他損害140万円、逸失利益300万円の合計480万円が認められています。
もし会社が本気で訴えてきたら?「民間業者」では詰む理由

確率は低いとはいえ、ブラック企業の中には「赤字覚悟で嫌がらせ裁判をしてくる」経営者もゼロではありません。
もし、会社から「内容証明郵便」が届いたり、弁護士経由で連絡が来たりした場合、依頼した退職代行業者によって運命が分かれます。
| 運営元 | 裁判・法的トラブル時の対応 | あなたのリスク |
|---|---|---|
| 民間業者 | 対応できない(弁護士法違反となるため) | 大(自分で裁判対応が必要) |
| 労働組合 | 団体交渉(話し合いで解決) | 中(裁判までは防げる可能性大) |
| 弁護士 | 完全対応(代理人として戦う) | ゼロ(全て丸投げでOK) |
民間業者は「非弁行為」になるため対応できない
民間業者が「裁判対応します」と言えば犯罪(非弁行為)になります。弁護士法第72条により、弁護士又は弁護士法人でない者が報酬を得る目的で法律事件に関して代理等の法律事務を取り扱うことは禁止されており、違反した場合は2年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されます。
法的根拠:
そのため、法的トラブルの匂いがした瞬間、民間業者はサポートを打ち切り、対応を中止せざるを得ません。あなたは一人で会社と戦うことになります。
弁護士提携サービスを選ぶ際の注意点
2025年10月、大手退職代行サービス「モームリ」が弁護士法違反疑いで家宅捜索を受ける事件が発生しました。これは「弁護士と提携している」という表記であっても、提携方法によっては違法になる可能性があることを示しています。
単に「弁護士と提携」と表記しているだけでなく、以下の点を確認してください:
- 顧客対応: 弁護士本人が直接対応しているか、それとも無資格者が対応しているか
- 紹介方法: 顧客を弁護士に「紹介」する形ではなく、弁護士が直接サービス提供する契約か
- 運営体制: 弁護士事務所が直営しているか、弁護士との契約内容が明確か
「訴訟リスク」が1%でもあるなら弁護士一択
「自分はNG行動をしていないか不安」「社長が感情的になりやすい性格だ」
そう感じるのであれば、最初から「弁護士」が直接対応する退職代行を選んでください。
「弁護士がついている」と分かった瞬間、会社側は手出しができなくなります。これが最強の防衛策です。
まとめ:正しく使えば「訴訟」は怖くない

退職代行を使って訴えられるケースは、法的には訴訟を起こされる可能性は存在しますが、実際には極めて稀です。
過度に恐れる必要はありません。
ただし、その「万が一」の安心をお金で買うのが「保険」の考え方です。
どうしても不安な方は、数万円の差額を惜しまずに弁護士に依頼してください。その数万円で、あなたは「裁判」という悪夢から完全に守られます。
▼ 法的トラブルを完璧に防ぐ!弁護士・労組サービス
「会社から脅されている」「絶対に揉めたくない」という方のために、万が一のトラブルにも完全対応できるサービスを厳選しました。
ここにあるサービスを選べば、訴訟リスクに怯える夜は今日で終わりです。
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【免責事項・法的リスクについて】
※本記事は2026年1月時点の法制度および一般的な判例傾向に基づき解説していますが、個別の事案における裁判結果を保証するものではありません。
※具体的な損害賠償請求の可能性や法的対抗措置については、必ず弁護士等の専門家へ個別にご相談ください。
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