「一般企業でフルタイムで働くのは、体力や精神的に少し難しいかもしれない…」
「でも、社会とのつながりを持ちながら、何か役割を見つけたい」
「自分のペースを大切にしながら、働ける場所はないだろうか?」
障害や難病を抱える方や、そのご家族の中には、こうした切実な悩みを抱えている方も少なくないのではないでしょうか。
そんな「働きたい」という気持ちと、ご自身の心身の状態との間で、どうバランスを取れば良いのか分からず、一歩を踏み出せずにいるかもしれません。
この記事では、そんなあなたのために「就労継続支援B型」という選択肢を、どこよりも分かりやすく、そして詳しく解説します。
この記事を最後まで読めば、きっとこんなことが分かるはずです。
- 就労継続支援B型のサービス内容が、具体的にイメージできる
- 自分や家族が利用できるのか、はっきりと分かる
- 最新の工賃データとその背景まで、正確に理解できる
- 実際に利用を開始するまでの流れが分かり、次の一歩を踏み出せる
一人で悩みを抱える必要はありません。この記事が、あなたらしい働き方を見つけるための、確かな道しるべとなれば幸いです。
記事を読むのが面倒な方のために、AIキャスターによる「ポッドキャスト」を作りました。
読み間違いがありますが、ご容赦ください。
▼就労継続支援B型 完全ガイド:無理なく働きたいあなたへ~制度の仕組み、工賃の真実、失敗しない選び方~
就労継続支援B型ってどんなところ?5つのポイントでわかる基本のキ

まずは、B型事業所の特徴を5つの基本的なポイントに絞って、わかりやすくご紹介します。
- 非雇用契約で、体調に合わせて働ける
最大の特徴は、利用者と事業所が雇用契約を結ばないことです。これにより、「週5日、8時間勤務」のような縛りがなく、週1日・1時間からでも、自分の心身の状態に合わせて無理なく働けます。 - 障害や難病のある方が対象
身体・知的・精神障害(発達障害を含む)や指定難病などがある方で、一般企業での就労が困難な方が対象です。年齢制限はありません。 - 仕事内容は事業所によって多種多様
軽作業や清掃、農業から、データ入力、デザイン、カフェの運営まで、事業所によって驚くほど多様な仕事が行われています。あなたの興味や得意を活かせる場所が見つかるかもしれません。 - 給料ではなく「工賃」が支払われる
労働の対価は「給料」ではなく「工賃(こうちん)」として支払われます。最低賃金の適用対象外ですが、生産活動への対価として受け取ることができます。 - 就労だけでなく、生活面のサポートも
単に働く場であるだけでなく、生活リズムの相談やコミュニケーションの練習など、自立した生活を送るための幅広いサポートを受けられる場所です。
【徹底比較】A型・就労移行支援、私に合うのはどれ?

サービスの種類 | 就労継続支援B型 | 就労継続支援A型 | 就労移行支援 |
---|---|---|---|
目的 | 働く場・活動の場の提供 | 働く場の提供 | 一般就労に向けた訓練 |
雇用契約 | なし | あり | なし |
賃金/工賃 | 工賃(最低賃金の適用外) | 給料(最低賃金以上が保障) | 原則なし |
利用期間 | 定めなし | 定めなし | 原則2年間 |
こんな人におすすめ | 自分のペースで働きたい方 | 安定収入を得たい方 | 一般企業を目指したい方 |
- A型との違いは「雇用契約の有無」
「まずは無理なく始めたい」方はB型、「安定して働ける自信があり、収入も重視したい」方はA型が向いています。 - 就労移行支援との違いは「目的」
「働くこと自体」が目的の方はB型、「一般企業への就職」が明確な目標の方は就労移行支援が適しています。
誰が利用できる?対象となる障害や利用条件
就労継続支援B型は、以下のいずれかに該当する方が利用できます。
- 就労経験者で、現在は働くことが困難な方(年齢や体力の面で一般企業での雇用が難しくなった方など)
- 50歳に達している方、または障害基礎年金1級を受給している方
- 上記に当てはまらない方で、就労移行支援事業者などによる評価(アセスメント)を受け、B型の利用が適当と判断された方
重要: 障害者手帳は必須ではありません。医師の診断書や意見書があり、お住まいの自治体から「障害福祉サービス受給者証」が交付されれば利用可能です。
どんな仕事をするの?多種多様な作業内容をご紹介

事業所で行われている作業は多岐にわたります。
仕事のカテゴリー | 具体的な作業内容の例 |
---|---|
軽作業 | 部品組み立て、検品、梱包、DM封入、ラベル貼り |
食品関連 | パン・お菓子作り、弁当調理、カフェ・食堂の運営 |
農業・園芸 | 野菜や花の栽培、収穫、農産物加工 |
清掃 | オフィスビル、公共施設、病院などの清掃 |
PC・IT関連 | データ入力、ホームページ作成、動画編集、ECサイト運営補助 |
クリエイティブ | ハンドメイド雑貨の制作・販売、イラスト制作、デザイン |
【2025年最新】工賃はいくら?正確なデータと知っておくべき背景

工賃はB型事業所を選ぶ上で非常に重要な要素です。ここでは、厚生労働省発表の最新データ(令和5年度)に基づき、正確な情報をお伝えします。
全国平均工賃(令和5年度)
項目 | 金額 | 前年比 |
---|---|---|
月額工賃 | 23,053円 | +35.3%※ |
※令和6年度報酬改定により工賃算定方法が変更されたため、前年との単純比較は困難です。
【重要ポイント】なぜ工賃が大幅に上がったのか?
「前年より35%も増えている!」と驚かれたかもしれません。これは、令和6年度の報酬改定で、事業所が受け取る報酬を計算する際の「平均工賃月額」の算定方法が変更されたことが大きく影響しています。
具体的な変更内容:
- 従来:「工賃支払対象者数」を分母として計算
- 新方式:「一日当たりの平均利用者数」を分母として計算
この変更により、障害特性等で利用日数が少ない方を多く受け入れる事業所も不利にならないよう配慮され、結果として見かけ上の平均工賃が大幅に引き上げられました。
【注意】時間額工賃について
令和6年度報酬改定により、B型事業所の工賃時間額は都道府県への報告対象外となったため、最新の全国統計は公表されていません。
都道府県別の工賃状況
工賃は地域によっても差があります。例えば、令和5年度では福井県(28,206円)や徳島県(29,312円)が全国平均を大きく上回っています。事業所見学の際には、その地域の平均と比較してみるのも良いでしょう。
【体験談】B型事業所に通ってよかったこと・大変だったこと

※以下の体験談は、一般的な利用者の声を基に構成したものです。
Aさん(30代・うつ病)の場合:「生活リズムが整い、自信を取り戻せました」
「長年ひきこもりがちで昼夜逆転の生活でしたが、B型に通い始め、週2日の午前中からスタートしました。スタッフさんが『まずはここに来るだけで100点満点ですよ』と温かく迎えてくれて、気持ちが楽になりました。簡単なPC入力の仕事を任せてもらい、『ありがとう』と声をかけてもらえることが少しずつ自信につながり、今では週4日通えるように。規則正しい生活を取り戻せたことが一番の収穫です。」
Bさん(50代・内部障害)の場合:「工賃の低さと人間関係に悩んだことも」
「体力の問題で一般企業を退職し、B型を利用し始めました。作業自体は無理なくできるのですが、やはり工賃だけで生活するのは厳しく、将来への不安を感じることもあります。でも、悩んだ時はすぐに支援員さんに相談しています。使える制度を一緒に調べてくれたり、人間関係の悩みも間に入って調整してくれたり。一人で抱え込まずに相談できる相手がいることは、本当に心強いです。今の私にとって大切な社会との接点になっています。」
失敗しない!あなたに合ったB型事業所の選び方【実践チェックリスト付】

数ある事業所の中から、自分にとって本当に良い場所を見つけるためのチェックポイントです。
【見学時の実践チェックリスト】
- 仕事内容: 興味が持てるか?無理なく続けられそうか?
- 事業所の雰囲気: スタッフは親身か?利用者さんたちはどんな表情か?清潔で安全か?
- 工賃の水準: 平均工賃は月額でどのくらいか?(遠慮せずに質問しましょう)
- サポート体制: 困った時に相談しやすいか?障害特性に合った配慮をしてもらえそうか?
- 通いやすさ: 自宅から無理なく通えるか?交通費の支給や送迎サービスはあるか?
【選び方の失敗例と対策】
- 失敗例1:工賃の高さだけで選ぶ → 対策:作業内容が自分に合っているかを最優先に考える。
- 失敗例2:家から近いだけで選ぶ → 対策:少し遠くても、複数の事業所を見学して比較する。
- 失敗例3:見学せずに決める → 対策:必ず見学し、可能なら体験利用もして実際の雰囲気を肌で感じる。
利用開始までの5ステップ|相談から契約までの流れ

- STEP1:相談窓口へ行く
お住まいの市区町村の障害福祉課や、相談支援事業所に「就労継続支援B型を利用したい」と相談します。 - STEP2:事業所の見学・体験
気になる事業所をいくつかピックアップし、見学や体験利用を申し込みます。 - STEP3:受給者証の申請
利用したい事業所が決まったら、市区町村の窓口で「障害福祉サービス受給者証」を申請します。 - STEP4:サービス等利用計画の作成
相談支援専門員があなたの希望をヒアリングし、「サービス等利用計画案」を作成します。 - STEP5:事業所との契約・利用開始
受給者証が交付されたら、事業所と正式に利用契約を結び、利用開始となります。
よくある質問(Q&A)

- Q障害者手帳がないと利用できませんか?
- A
必ずしも必須ではありません。医師の診断書などで自治体がサービスの必要性を認めれば利用できます。
- Q利用料金はかかりますか?
- A
前年度の世帯収入によりますが、住民税非課税世帯の方は無料です。多くの方が自己負担なしで利用されています。
- Q毎日通わないといけませんか?
- A
いいえ。週1日や半日から始められます。ご自身の体調に合わせて、事業所と相談しながら決められます。
- Q将来、一般就労を目指せますか?
- A
はい、可能です。B型で経験を積み、自信をつけてA型事業所や一般企業へステップアップする方も多くいます。
まとめ:あなたの「働きたい」気持ちに寄り添う場所
今回は、「就労継続支援B型」について、その基本から利用方法、事業所の選び方までを詳しく解説しました。
【この記事の重要ポイント】
- B型は雇用契約がなく、自分のペースで無理なく働ける場所
- 工賃は最新データで月額約2.3万円。制度改定により算定方法が変更されたことも理解しておくことが大切
- 失敗しないためには、必ず複数の事業所を見学・体験し、雰囲気やサポート体制を自分の目で確かめること
「働きたい」という気持ちは、とても尊いものです。しかし、その気持ちと心身のバランスがうまく取れずに、苦しんでいる方がたくさんいます。
就労継続支援B型は、そんなあなたの社会参加への大切な一歩を、力強くサポートしてくれる選択肢の一つです。この記事を読んで、もし「少し話を聞いてみたいかも」と感じたら、ぜひお住まいの地域の相談窓口に連絡してみてください。
その小さな一歩が、あなたらしい働き方、あなたらしい未来へとつながっていくはずです。
注意事項:
※この記事の情報は2025年8月時点のものです。制度やデータは変更される可能性があるため、最新の情報は厚生労働省やお住まいの自治体の公式サイトでご確認ください。