AIやデータサイエンスが学べる就労移行支援【Neuro Dive】

就労移行支援はお金がないから無理?9割が無料で利用できる理由と生活費を乗り切る10の方法

お金と生活の悩み

「再就職のために就労移行支援を利用したいけど、お金がないから無理かも…」
「利用中の生活費はどうすればいいんだろう?」

就職を目指す上で大きな助けとなる就労移行支援ですが、お金に関する不安から、利用に一歩踏み出せない方は少なくありません。訓練中は収入が途絶えてしまうケースも多く、生活費の心配は切実な問題です。

しかし、どうか諦めないでください。

結論から言うと、お金の不安があっても就労移行支援を利用する方法はたくさんあります。 実際、多くの方が様々な制度を活用して、経済的な負担を乗り越えながら就職という目標を叶えています。

この記事では、あなたの「お金がない」という不安を解消するために、以下の3つのステップで、利用できる制度や方法を網羅的に、そして分かりやすく解説していきます。

  1. 利用料の不安解消:なぜ約9割の人が無料で利用できるのか?
  2. 生活費の不安解消:利用中に収入を得たり、お金を借りたりする方法は?
  3. その他の費用の不安解消:交通費や昼食代を節約する工夫とは?

この記事を最後まで読めば、あなたに合った解決策が必ず見つかります。経済的な準備を万全に整えて、安心して就職への第一歩を踏み出しましょう。

記事を読むのが面倒な方のために、AIキャスターによる「ポッドキャスト」を作りました。
読み間違いがありますが、ご容赦ください。

▼就労移行支援、お金の不安をゼロに!9割が無料?費用と生活費を乗り越える秘訣徹底解説

【結論】お金がなくても就労移行支援は利用できる!不安を解消する3つの視点

冒頭でもお伝えした通り、経済的な心配があっても就労移行支援の利用は可能です。その理由は、大きく分けて3つのポイントに集約されます。

1. 利用料の不安:実は約9割が自己負担0円

まず、就労移行支援そのものの利用料金ですが、制度の仕組み上、多くの方が自己負担0円でサービスを受けています。複数の事業所の実績によると、利用者の約9割が無料で利用されています。 これは、前年の所得に応じて負担額が決定される仕組みになっているためです。多くの方が無料で利用できるので、利用料がネックになるケースはほとんどありません。

2. 生活費の不安:使える公的制度がたくさんある

利用中の生活費については、失業保険(雇用保険)や障害年金といった公的な給付金制度が大きな支えとなります。 その他にも、傷病手当金や、いざという時に頼りになる貸付制度、生活保護制度など、あなたの状況に合わせて活用できるセーフティーネットが用意されています。

3. その他の費用の不安:交通費や昼食代も軽減できる可能性がある

事業所に通うための交通費や、訓練中の昼食代といった日々の出費も気になるところです。これらについても、自治体の助成制度や、事業所独自のサポート(昼食提供など)によって負担を軽くできる場合があります。

このように、あなたの不安を解消するための制度や方法は、実はたくさん存在するのです。次の章から、それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。

ステップ1:まずは基本!就労移行支援の利用料金はいくら?

就労移行支援は、障害者総合支援法に基づく福祉サービスの一つです。そのため、利用料金は前年の「世帯所得」によって決まります。

自己負担額が決まる仕組み【世帯所得とは?】

ここで言う「世帯」とは、本人とその配偶者を指します。親や兄弟姉妹と同居していても、その所得は合算されません(※住民票の世帯とは異なる点に注意が必要です)。

  • 一人暮らしの方・実家暮らしで独身の方 → 本人の前年所得のみ
  • 結婚している方 → 本人と配偶者の前年所得の合計

この世帯所得に応じて、月々の自己負担上限額が設定されます。どれだけサービスを利用しても、その上限額以上を請求されることはありません。

【簡単チェック】あなたの自己負担額はいくら?

以下の表で、ご自身の区分を確認してみましょう。

世帯の所得区分月額負担上限額対象となる方の例
生活保護受給世帯0円生活保護を受給している
市町村民税非課税世帯0円前年の世帯収入がおおむね300万円以下の方など ※障害年金のみで生活している方も該当
市町村民税課税世帯(所得割16万円未満)9,300円前年の世帯収入がおおむね600万円以下の方
上記以外37,200円前年の世帯収入がおおむね600万円を超える方

※収入はあくまで目安です。正確な区分は市区町村の障害福祉課にご確認ください。

この表の通り、前年の世帯収入がおおむね600万円以下であれば、負担額は0円または9,300円となります。 特に、前職を退職して収入がない方や、障害年金のみで生活している方の多くは「市町村民税非課税世帯」に該当し、自己負担0円で利用できるケースがほとんどです。これが、利用者の約9割が無料である理由です。

ステップ2:最大の壁「利用中の生活費」を確保する7つの方法

利用料が無料だとしても、日々の生活費は必要です。ここでは、訓練期間中の生活を支えるための具体的な方法を7つご紹介します。

【収入を得る】使える制度をフル活用しよう

まずは、返済不要の給付金制度を中心に見ていきましょう。

方法1:失業保険(雇用保険) – 退職した方の強い味方

退職前に雇用保険に加入していた方が、まず検討すべき制度です。

  • 条件:原則として、離職日以前2年間に被保険者期間が12ヶ月以上あること。
  • もらえる金額:離職前の賃金のおおむね50~80%。
  • 手続き方法:お住まいの地域を管轄するハローワークで手続きを行います。
【重要ポイント】就職困難者としての認定

障害者手帳をお持ちの方などが就労移行支援を利用する場合、「就職困難者」として認定される可能性があります。認定されると、被保険者であった期間に応じて給付日数が150日~360日と大幅に延長されるメリットがあります。手続きの際に必ずハローワークの窓口で相談しましょう。

方法2:障害年金 – 障害のある方のための所得保障

病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に受け取れる年金です。

  • 種類:障害基礎年金(国民年金加入者向け)と障害厚生年金(厚生年金加入者向け)があります。
  • よくある質問:失業保険と障害年金の併給は可能です。両方の受給要件を満たしていれば、同時に受け取ることができます。

まだ申請していない方は、お住まいの市区町村の年金窓口や年金事務所に相談してみましょう。

方法3:傷病手当金 – 病気やケガで働けないときに

健康保険の被保険者が、病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。

  • 受給条件:退職前に継続して1年以上被保険者期間があり、退職日時点で傷病手当金を受給しているか、受給条件を満たしている場合、退職後も継続して受給できることがあります。
  • 注意点:失業保険との併給はできません。傷病手当金を受給している間は、失業保険の受給期間延長の手続きをしておきましょう。

方法4:生活保護 – 生活に困窮した場合のセーフティーネット

あらゆる制度を活用してもなお生活が困難な場合に、健康で文化的な最低限度の生活を保障するための最後の砦となる制度です。就労移行支援を利用しながら生活保護を受給することも可能です。まずはお住まいの地域の福祉事務所にご相談ください。

【お金を借りる】最終手段としての公的貸付制度

方法5:生活福祉資金貸付制度 – 無利子または低利子で借りられる

低所得者世帯や障害者世帯などを対象に、都道府県の社会福祉協議会が実施している貸付制度です。無利子または非常に低い金利で、生活再建のための資金を借りることができます。

参考:生活福祉資金貸付制度(厚生労働省)

【その他】

方法6:貯金を切り崩す、家族からの援助

可能であれば、これまでの貯金を取り崩したり、家族に援助を求めたりすることも選択肢の一つです。事前に相談し、理解を得ておくことが大切です。

方法7:【例外】アルバイトが認められるケースもある?

就労移行支援の利用期間中、原則としてアルバイトは認められていません。
訓練に集中することが目的だからです。しかし、経済的な事情などを考慮し、市区町村の判断によっては、訓練に支障のない範囲でのアルバイトが例外的に認められるケースもあります。必ず事前に市区町村の障害福祉課や利用予定の事業所に確認してください。

ステップ3:「実費負担」を少しでも軽くする3つの工夫

利用料や生活費のめどが立っても、交通費や昼食代などの「実費」は意外と負担になるものです。ここでは、日々の支出を抑えるための工夫をご紹介します。

工夫1:交通費の負担を減らす

  • 自治体の助成制度を調べ
    多くの市区町村で、就労移行支援などの福祉サービス事業所に通う際の交通費を助成する制度があります。「お住まいの市区町村名 就労移行支援 交通費助成」などのキーワードで検索してみましょう。
  • 交通費を支給してくれる事業所を選ぶ
    事業所によっては、交通費を全額または一部支給してくれる場合があります。事業所選びの際の比較ポイントにすると良いでしょう。
  • 障害者手帳による公共交通機関の割引
    お持ちの障害者手帳の種類や等級に応じて、JR、私鉄、バスなどの運賃割引が適用される場合があります。

工夫2:昼食代を節約する

事業所によっては、お弁当を持参する必要がある一方、無料または安価で昼食を提供してくれるところもあります。 毎日のことなので、この差は非常に大きいです。見学や体験利用の際に、昼食の提供について必ず確認しましょう。

工夫3:その他の割引・助成制度を活用する

  • 自立支援医療制度
    心身の障害を除去・軽減するための医療について、医療費の自己負担額を軽減する制度です。定期的な通院が必要な方は必ず利用しましょう。
  • 各種障害者割引
    携帯電話料金、映画館、美術館など、様々なサービスで障害者手帳による割引が受けられます。使える割引は積極的に活用して、支出を抑えましょう。

【状況別】あなたに合う解決策は?モデルケースで見る収支シミュレーション

ここまで紹介した制度を、具体的にどう組み合わせればよいのでしょうか。2つのモデルケースで、収支のシミュレーションを見てみましょう。

ケース1:実家暮らしで失業保険を受給中のAさん(20代)

項目金額(月額)備考
収入項目
失業保険(雇用保険)150,000円
収入合計150,000円
支出項目
就労移行支援の利用料0円前年の所得が低いため自己負担なし
実家に入れるお金30,000円
交通費5,000円自治体の助成で半額になったと仮定
昼食代(事業所で提供)0円
通信費・雑費20,000円
支出合計55,000円
収支+95,000円貯金や将来のための投資に回す余裕が生まれる。

ケース2:一人暮らしで障害年金を受給しているBさん(30代)

項目金額(月額)備考
収入項目
障害基礎年金2級※約69,308円
生活福祉資金貸付(不足分)40,000円家賃支払いのため一時的に利用
収入合計109,308円
支出項目
就労移行支援の利用料0円非課税世帯のため自己負担なし
家賃60,000円
光熱費・水道代15,000円
通信費5,000円
食費・雑費28,000円昼食は事業所提供、自炊で節約
支出合計108,000円
収支+1,308円貸付制度を使い、わずかに黒字で生活を維持できる見込み。

※上記はあくまで一例です。金額は状況によって大きく変動します。
※障害基礎年金の金額は令和7年度(2025年度)のものです。子の加算など、世帯状況により金額は変動します。

このように、ご自身の状況に合わせて制度を組み合わせることで、訓練期間中の生活を乗り切る見通しを立てることができます。

お金のことで悩んだら…一人で抱えずに相談できる窓口一覧

「自分の場合はどの制度が使えるの?」
「手続きの方法がよく分からない…」

そんな時は、一人で抱え込まずに専門家に相談することが大切です。

  • 就労移行支援事業所のスタッフ
    利用を検討している事業所の見学・相談時に、お金の不安についても率直に話してみましょう。同じような悩みを持つ方の支援実績が豊富なので、的確なアドバイスをもらえます。
  • 市区町村の障害福祉課
    公的な制度に関する最も正確な情報が集まる場所です。利用料金の区分や交通費助成、利用できる福祉サービス全般について相談できます。
  • 相談支援事業所
    障害のある方の生活全般に関する相談に乗ってくれる専門機関です。あなたに合ったサービスの組み合わせ(サービス等利用計画の作成)を一緒に考えてくれます。
  • ハローワーク
    失業保険の手続きはもちろん、就職に関する様々な相談ができます。障害のある方向けの専門窓口もあります。

まとめ:経済的な準備を整えて、安心して就職への一歩を踏み出そう

今回は、「お金がない」という不安を抱えながら就労移行支援の利用を考えている方へ向けて、具体的な解決策を解説しました。

【この記事のポイント】

  • 利用料:約9割が自己負担0円。まずはご自身の負担額を確認しよう。
  • 生活費:失業保険や障害年金など、使える公的制度をフル活用しよう。
  • 実費:交通費助成や昼食提供など、事業所選びの工夫で負担を減らせる。
  • 相談:一人で悩まず、事業所や行政の窓口など専門家に相談しよう。

経済的な不安は、就職活動への大きな障壁となります。しかし、利用できる制度やサポートを正しく知り、計画的に活用すれば、その壁は決して乗り越えられないものではありません。

まずはこの記事を参考に、ご自身が使えそうな制度をリストアップし、専門の窓口へ相談するところから始めてみてください。お金の心配を解消し、あなたが安心して就職への道を歩み出せるよう、心から応援しています。


【免責事項】
この記事の情報は2025年8月時点のものです。各種制度は法改正などにより変更される可能性があるため、ご利用の際は必ずハローワークや市区町村の担当窓口、日本年金機構などの公式サイトで最新の情報をご確認ください。

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