発達障害とは脳・中枢神経系の成長発達の偏りによる機能不全と考えられており、精神疾患のなかでは先天的な障害と考えられています。例えば代表的な発達障害には図1に示すように知的障害、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥多動性障害、学習障害などがあります。
図1
精神科の診断には現在、主に2種類の国際的な診断マニュアルが使用されています。
アメリカ精神医学会が策定しているDSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)では、2013年作成のDSM-5で、以前使用されていた広汎性発達障害から自閉症スペクトラム障害/自閉スペクトラム症に名称が変更され、その中で分類されていた自閉症、アスペルガー症候群、特定不能の広汎性発達障害、小児崩壊性障害、レット障害が廃止されました。
もう1つの診断マニュアルである世界保健機関(WHO)が作成している国際疾病分類(International Classification of Diseases: ICD)のICD-11もDSM-5にならい、自閉症スペクトラム障害/自閉スペクトラム症へ名称変更され、現在日本語への翻訳作業が進んでいるため、近々変更される予定ですので、本ホームーページでは自閉症スペクトラム障害の名称を採用します。自閉症スペクトラム障害、自閉スペクトラム症、広汎性発達障害はほぼ同じものを指しています。