一般的な体の病気で小児科と内科があるように、精神科医にも児童精神科医と大人を対象とした精神科医がいて、発達障害はもともと児童精神科医が診療していました。そうした事情から発達障害を診察する精神科医が少なかったので、大人になってもそのまま児童精神科の下で通院を続けていることが多かったのですが、発達障害の認知度の広まりによって、大人になって初めて受診するケースが爆発的に増え、大人を対象としていた精神科のなかでも「大人の発達障害」を診療する医療機関が近年徐々に増えていきました。
発達障害の特性が弱い人で学生の間はうまくいっていたけれど、就労や結婚などをきっかけに不適応をおこし、うつ病になるなどして、大人になってから初めて医療機関を受診する場合などです。
こういった事情で「大人の発達障害」という言葉が生まれたわけですが、発達障害自体は生来的なものですので、大人になってから発症するわけではありません。